高ペイロード運搬可能に、物流やインフラ設備点検などへの投入想定
新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は5月22日、経済安全保障を強化・推進する観点から支援対象とすべき先端的な重要技術の研究開発を進める「経済安全保障重要技術育成プログラム（“K Program”）」の一環で、「長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証」の研究開発に着手すると発表した。
同事業は30～50kg程度の物資を最大1000km程度輸送できる、垂直離着陸可能な無人航空機の実現に向け、水素、持続可能な航空燃料（SAF）といった代替燃料で運用可能なハイブリッド動力システム、高出力モーター、軽量構造技術などの要素技術を開発し、各要素を統合した試験機で評価試験を実施することで、長距離物資輸送用無人航空機技術の確立を図る。
離島間や洋上インフラへの物資輸送、送電線・パイプラインといった広域インフラ設備の点検、海上や山岳地域における要救助者の捜索、災害時の被害状況調査などで無人航空機が活躍する社会の実現を目指す。
K ProgramはNEDOに造成された基金を活用し、国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想に基づき、科学技術の多義性を踏まえ、民生利用に加えて公的利用にもつながる研究開発とその成果の活用を推進するのが狙い。
同事業の予算は50億円、期間は2024～28年度の予定。実際の業務はコントレイルズ、金沢工業大学、ザクティ、ジェイテクト、静岡理工科大学、ナイルワークス、ヤマハ発動機が担う。
（藤原秀行）
