成長分野に投資し脱炭素貢献目指す
住友商事は5月28日、ノルウェーの洋上風力支援船保有・運行会社IWS Fleet(IWSフリート)に出資すると発表した。
出資の完了は6月を予定しており、IWS Fleetは持ち分法適用会社になる。IWS Fleetによると、住友商事は6000万ユーロ(約100億円)を出資し、IWS Fleet株式の25.38%を所有する予定。
洋上風力発電施設の新規設置数増加に伴い、発電施設の建設や運営、管理に用いる「オフショア支援船」の需要が増加している。
オフショア支援船の一種で、洋上風力発電所の建設段階において、洋上風車上での作業に従事する技術者に対し、宿泊施設や安全に洋上風車へ移動する手段を提供するCSOV(Commissioning Service Operation Vessel)は、洋上風力開発が先行している欧州を中心に需要が伸びており、2027年には世界で約60隻、2030年には100隻以上が必要になると見込まれている。
住友商事は成長分野に投資し、脱炭素のニーズに対応していきたい考えだ。
IWS Fleetは、CSOV船隊規模で世界2位となる6隻(2隻竣工、4隻建設中)を保有、運航管理を担っている。船隊を同型船でそろえて船舶管理を合理化し、事業者にフレキシブルなサービスを提案できるようにしている。
洋上風車に技術者や資材を送る「ギャングウェイ(連絡橋)」の安定性や、船体を海上で定点維持するシステム、質の高い居住空間などが顧客から高く評価されているという。
IWS Fleetの親会社Integrated Wind Solutions(IWS)は、洋上風力関連サービスやオフショア支援船を保有する2020年創業のオスロ証券取引所上場企業。CSOVを保有するIWS Fleetをはじめ、コンサルティングやエンジニアリング、アドバイザリーやアセットマネジメントなど、洋上風力に関連するさまざまな企業を傘下に収めている。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用