今秋に実運用開始、24年度中のリリース目指す
オフィスビル・商業施設の警備や工場の見回りなどの業務ロボット開発を手掛けるugo（ユーゴー）、日立プラントサービス、日立システムズの3社は5月31日、業務DXロボットを使った工場点検作業の自動化サービスの共同開発に着手したと発表した。
同サービスは、業務DXロボットが工場内を巡回して設備を点検するとともに、点検で収集したデータの分析を通して設備運用の効率化を図ることを想定している。
具体的にはugoの自律走行と遠隔操作のハイブリッド型業務DXロボット「ugo（ユーゴー）」が工場内を巡回し、「ugo」が搭載している各種センサーと日立システムズのCYDEENメーター自動読み取りサービスを活用して、工場内の温度・湿度などの環境データや計器メーターの値を自動で取得する。
取得したデータに日立プラントサービスが60年にわたって現場で培った大規模工場の保守ノウハウを融合させ、熟練技術者の技術の継承、エネルギー効率の改善や故障の予兆検知などの設備運用の効率化に貢献することを目指す。
2024年秋に半導体工場で実運用を開始し、24年度中のサービスリリースを目指す。
業務DXロボットを使用した工場点検作業の自動化イメージ（ugo提供）
将来は収集したデータで熟練保守員の持つノウハウをAIで再現し、保守計画の立案をはじめとする設備運用の効率化促進へサービス内容の拡充を想定している。現場の情報を可視化し、カーボンニュートラルを含む経営の改善提案で、施設運用全体の適正化へ貢献するトータルシームレスソリューションを提供する。
今後は施設全体の監視・保全管理を支援する「UaaS」の提供を通してスマート工場の実現を後押しする。業務DXロボットとセンシング技術、AI技術による施設の効率的な運用に加えて製造現場のデータとの連携も視野に入れている。
（藤原秀行）
