出荷時の製品数自動カウントなど、システム3種類連携
両備ホールディングス(HD)傘下で情報システム開発などを手掛ける両備システムズは6月10日、「2024年問題」を考慮し、物流拠点のトラック荷待ち時間短縮などを後押しするソリューションの提供を始めたと発表した。
既に販売している物流拠点のトラックバース入退場管理システム「R-Teams(アールチームス)」や大型商業施設など向けの駐車場管理システム「IT-Parking(アイティーパーキング)」と、新たに開発したAIを活用して商品の数などを瞬時に計算できるツール「CountShot(カウントショット)」を連携させ、より迅速に入出荷を済ませられるようにする。
政府は2024年問題に関連し、物流拠点の荷待ちや荷役の時間を原則として2時間以内、可能であれば1時間以内に抑えるよう荷主企業や物流事業者に求めている。
両備システムズは新たなソリューションを活用することで、トラック1運行当たりの荷待ちや荷役などの時間を約3割、最大で6割削減できると見込む。
「R-Teams」はトラックの入退場を効率的に受け付けるとともに、カメラやセンサーでトラックバースへの接車・離車の状況を自動的に把握。荷物の積み降ろし作業の進捗状況をリアルタイムで把握できる。
「IT-Parking」はインターネットと接続しているIPカメラの画像を生かし、場内で異常がないか監視するなど効率的にトラックの出入りを管理できる。
新たに開発した「CountShot」は出荷時の製品数カウント作業をシステムが代わりに行うことで業務の時間を短縮できると想定している。
両備システムズは3種類のシステムを連動させることで、物流拠点へのトラックの出入りや積み降ろしの作業を効率的に進められるようになると見込んでいる。現場の実情に応じて、3種類のいずれかのシステムを提供することにも対応する。
ソリューションのイメージ(両備システムズ提供)
今後は2026年末までにバース入退場管理システム15施設、駐車場管理システム30施設、AIカウントツール25施設の延べ70施設への導入を目指す。事業規模は5億円まで伸ばしたい考え。
東京都内で記者会見した両備システムズの谷口芳正営業本部民需営業統括部DX推進営業部長は「3種類のシステムを柔軟に組み合わせ、システム導入の初期費用も抑えることで2024年問題の解決に貢献していきたい」と強調した。
ソリューションは6月12日から横浜市のパシフィコ横浜で開催される「画像センシング展2024」に出展する。
(藤原秀行)