バイオ製剤など製造工程の物流受託可能に
NIPPON EXPRESSホールディングスは6月10日、傘下の日本通運が今年5月、「西日本医薬品センター」(大阪府寝屋川市)で医薬品製造業許可1号区分「生物学的製剤等(製造工程の全部または一部)」を取得したと発表した。
バイオ製剤などの製造工程の物流受託が可能になった。
医薬品製造業1号区分取得による物流受託イメージ
創薬技術の発展は非常に速いペースで進み、バイオ製剤といった新しい医薬品が次々と登場している流れを考慮。高度な品質管理が求められる医薬品物流にいち早く対応するため、西日本医薬品センターで今回の許可を取得し、生物学的製剤等の製造サービスを開始した。
併せて、国内4カ所の医薬品センター(東日本、西日本、九州、富山)で、医薬品製造業許可5号区分「包装・表示・保管」も取得し、医薬品に関わる取り扱い領域をさらに拡張した。
西日本医薬品センターは、抗原にあるたくさんの目印(抗原決定基)の中から1種類の目印とだけ結合する抗体を人工的にクローン(クローナル)増殖させることでがん細胞の特定の抗原に結合する薬などに利用する「モノクローナル抗体」やワクチンなどの製剤に関する一部製造工程の受託や製造所出荷判定、市場出荷判定が可能になった。
製剤調達や販売領域物流、輸出など、さまざまな段階のサプライチェーンに、自社の医薬品物流プラットフォームでワンストップ対応できると見込む。医薬品物流の全工程における温度やセキュリティーや作業情報など、必要なデータの記録・管理も可能。
医薬品製造業1号区分は生物学的製剤(体外診断用医薬品を除く)、国家検定医薬品、遺伝子組換え技術応用医薬品、細胞培養技術応用医薬品、細胞組織医薬品の製造工程の全部または一部を行う場合に必要な業許可で、厚生労働大臣の許可が求められる。
5号区分は医薬品製造業(無菌医薬品)および医薬品製造業(一般)の区分で製造が許可される医薬品の包装・表示・保管のみを行う業許可で、都道府県知事の許可が必要。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用