物流環境大賞、味の素冷凍食品とF-LINEを選出

物流環境大賞、味の素冷凍食品とF-LINEを選出

中距離帯圏内でモーダルシフト実現

日本物流団体連合会(物流連)は6月20日、物流部門の環境保全活動などで優れた功績を残した企業や団体に贈る「第25回物流環境大賞」の受賞者を発表した。

今年の大賞には「冷凍食品の環境にやさしく持続可能な幹線輸送の実現」の味の素冷凍食品とF-LINEを選出した。

千葉県から宮城県までの冷凍食品輸送に関し、冷凍トラックによる輸送を鉄道輸送(隅田川駅~仙台貨物ターミナル駅)に転換。冷凍トラックの使用台数削減を果たし、CO2排出量を抑制することができた。

冷凍食品は温度管理が厳しく、鉄道輸送への転換が難しかった品目の一つで、特に中距離帯(400km)圏内は珍しい取り組みなのが評価された。また、鉄道とトラックの2パターンで輸送していた長距離帯(1000km以上)の九州発貨物についても、鉄道・船舶輸送比率を向上させてCO2排出量を削減した。

各賞の受賞者は以下の通り。表彰式は6月28日の午後2時半から東京都港区新橋の「第一ホテル東京」で開催する。

▼低炭素物流推進賞(3件)
・大成ユーレック、日本通運、JR貨物
「建築現場のプレキャストコンクリート部材輸送における鉄道輸送の導入」

・ネスレ日本
「ペットボトルコーヒーの中距離帯輸送における鉄道モーダルシフト」

・フジパン、リョーユーパン、フランソア、タカキベーカリー、佐川急便
「九州大分県下のパン共同配送プロジェクト」

▼サステナブル活動賞(1件)
・日本通運
「建材端材の複数品目同時回収(石膏ボード・グラスウール・岩綿吸音板端材の再資源化)」

▼日本物流記者会賞(1件)
・佐川急便
「輸送に使用したストレッチフィルムの再利用」

▼特別賞(19件)
・カバヤ食品、リンク&リンケージ、ロッテ、曙運輸、全国通運、JR貨物、日本石油輸送
「31ftスーパーURコンテナを活用したラウンドマッチング輸送の取組み」

・共栄社化学
「陸送から海運へのモーダルシフト推進」

・クラベ、ユニ・チャーム、鴻池運輸、ロジスティードエクスプレス、ロジスティード
「二社間のコンテナラウンドユースによるCO2排出量削減への取り組み」

・佐川急便、西濃運輸
「本州最北端の青森県下北郡向け荷物の共同輸配送」

・佐川急便、ユーグレナ
「ユーザーも参画する『サステナブル配送プロジェクト』とプロジェクトの仕組みを横展開したトライアスロン大会用品の輸送」

・山九、三井化学
「物流導線と輸送手段の変更によるCO2削減の取組み」

・山九、三井化学、徳山通運
「鉄道輸送を活用したCO2削減の取組み」

・新日本海フェリー、キリングループロジスティクス、マリネックス
「長野県~北海道間の飲料フェリー輸送における輸送効率の向上」

・セイノーホールディングス
「九州向け『北大阪輸送ハブ』の開設による、輸送効率化とCO2排出量削減の実現」

・東京九州フェリー、ブリヂストン、ブリヂストン物流、マリネックス
「栃木県~福岡県向けタイヤ輸送 トラック輸送からトレーラー輸送に全量転換」

・日本梱包運輸倉庫
「ダブル連結トラック乗り継ぎ運行(北関東~広島)によるCO2排出量の削減」

・日本通運
「『プロテクトBOX with Fresh Logi』によるエコな保冷輸送の実現」

・三井倉庫、いすゞロジスティクス
「横浜港湾地区でのコンテナラウンドユース ~港混雑の解消CO2削減に向けた貢献~」

・ヤマト、カナメカーゴ
「『自転車の幹線輸送』鉄道輸送へのモーダルシフトチャレンジ」

・ランテック
「フェリー無人航送を利用した九州・関西間のモーダルシフト」

・ロジスティクス・ネットワーク、ウオロク、シノプス
「需要予測発注システムを活用したリードタイム延長によるCO2削減」

・ロジスティクス・ネットワーク、ニチレイロジグループ地域各社
「次世代輸配送システム『SULS』(サルス)を活用したCO2削減」

・ASブレーキシステムズ、碧南運送、鈴与、鈴与カーゴネット
「陸上輸送からフェリー輸送への切替によるCO2ならびに乗務員拘束時間の削減」

・SBS東芝ロジスティクス、ジャパンディスプレイ
「ガラス液晶パネル輸送における、DFL(Design For Logistics)による包装材料削減と輸送効率向上」

(藤原秀行)

各賞の受賞理由はコチラから(物流連ウェブサイト)

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