地元と災害発生時の支援協力で協定書締結
大和ハウス工業は6月24日、茨城県古河市で新たなマルチテナント型物流施設「DPL境古河」が4月30日に竣工したと発表した。
併せて、地元の境町と6月24日付で「災害発生時における支援協力に関する協定書」を締結した。協定には境古河特定目的会社(SPC)、大和ハウスプロパティマネジメントも加わっている。
DPL境古河は地上4階建て、延床面積は12万6660㎡。最大8テナント(1区画約1万3000㎡~)の入居が可能な設計を採用している。
災害発生時の被害を最小限にとどめ、早期に物流事業を再開するために免震システムや非常用電源を採用したほか、1階の床高や主要な設備機器の設置面を、想定浸水位より高く計画。防災に配慮している。
ドライバー休憩室や従業員用のラウンジ、駐車場(普通乗用車289台分)を確保したほか、「2024年問題」を受けて作業効率化を図るためにトラックバース予約システムを提供(オプション機能は有償)。トラックバースへの接車前後の時間ロスを減らし、ドライバーの待機時間を削減できると見込む。
空調や照明などに省エネ設備を採用。一般的な物流施設と比較して、設計一次エネルギー消費量を62%削減できる「ZEB Ready」を達成しており、「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」で最高ランクとなる五つ星を取得済み。
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の境古河ICに隣接する産業用地「境古河IC周辺地区土地区画整理事業内」に位置。都心から50㎞圏内で茨城県、埼玉県、千葉県の県境に位置するため、関東一円への広域配送に適しているとみている。
国道354号境岩井バイパス沿いに立地し、一般道と高速道の双方にアクセスが容易。圏央道を利用すると、東北自動車道の久喜白岡JCTまで約20㎞で、東北方面、首都圏をつなぐ物流中継拠点として利便性の高い立地環境と想定している。
また、協定に基づき、災害時は近隣住民の一時避難施設として同施設を提供。支援物資の一時保管・集積場所や一時避難住民のための駐車場施設などとしても同施設を運用する予定。
■建物概要
名称:「DPL境古河」
所在地:茨城県猿島郡境町みらい平二丁目3-1
交通:圏央道「境古河インターチェンジ」近接
敷地面積:58,438.45㎡(17,678坪)
建築面積:33,648.89㎡(10,178.79坪)
延床面積:126,660.75㎡(38,314.87坪)
賃貸面積:106,157.53㎡(32,112.65坪)
構造・規模:
鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、免震構造・地上4階建て
最高高さ:30.71m、幅:207m、奥行き:153m
建物用途:マルチテナント型物流施設
事業主:境古河特定目的会社(大和ハウス工業株式会社100%出資)
設計:株式会社フクダ・アンド・パートナーズ
施工:株式会社錢高組
着工:2022年10月1日
竣工:2024年4月30日
入居開始日:2024年5月1日
(藤原秀行)※いずれも大和ハウス工業提供