国交省実態調査、「8割以上額収受」5割に
国土交通省は6月28日、貨物自動車運送事業法に基づいて国交相が告示している「標準的運賃」がどの程度運送業界に浸透、活用されているかに関する実態調査結果を公表した。
調査は今年1~3月、全日本トラック協会の会員事業者を対象に行い、約2000社が回答した。
調査結果によると、荷主企業との運賃交渉の際、標準的運賃を提示していると答えたのは全体の36%で、昨年2~3月に行った同様の調査時(約4400社が回答)の21%から15ポイント上昇。「標準的運賃を考慮した自社運賃を提示している」は27%で、前回調査と同率だった。
回答に協力した企業数が昨年から大きく減っていることから、必ずしも同一の環境ではないかもしれないが、今年の調査結果は標準的運賃を交渉に活用しようとする動きが広がっていることを示唆した。
ただ、「具体的な値上げ幅や値上げ率を提示している」は8%で、前回の20%から減少した。
荷主の反応に関しては、「希望額を収受できた」は39%、「一部収受できた」は36%で、「収受できなかった」(12%)、「交渉自体に応じてもらえなかった」(4%)を大きく上回った。
前回調査時はそれぞれ30%、33%でいずれも割合が増えた。標準的運賃がどの程度効果があったのかは不明。
一方、標準的運賃で示している金額以上の運賃を収受できているかどうかについては、2023年度に契約を締結した運賃に関しては、標準的運賃以上の額を収受できていると答えたのが20.1%で、21年度分の11.3%、22年度分の14.8%から拡大。「標準的運賃の8~10割」は30.3%で、22年度の30.5%からほぼ横ばいだった。
23年度は、標準的運賃の5~8割が39.9%、5割未満が9.7%だった。
(藤原秀行)※いずれも国交省資料より引用