パレット単位で商品情報など一括読み取り可能、作業負荷とドライバー荷待ち時間の大幅削減見込む
フューチャーアーキテクトは7月2日、独自開発したAI-OCR(AIによる光学文字認識)ソリューション「Future EdgeAI」(フューチャーエッジAI)を活用した検品自動化サービス「EdgeAI Batch Inspection」(エッジAIバッチインスペクション)の本格展開を始めたと発表した。
新サービスは商品を指定の位置に荷降ろしすると、AI画像認識でパレットが置かれたことをスマートフォンが自動で認識、撮影。一括検品につなげることで、商品の外装に貼付しているバーコードをハンディターミナルでスキャンする従来の入庫業務よりも省人化・効率化を果たせると想定している。伊藤忠食品が現在、導入に向けて実証実験を進めている。
AI画像認識により、パレットごとに一括で商品の賞味期限や製造年月日、数量といった情報を読み取り、WMS(倉庫管理システム)とデータ連携する。WMS経由で入荷ラベルの自動発行まで済ませることが可能。荷降ろしの後、庫内で搬送している間に検品が完了し、検品者の作業負荷とドライバーの荷待ち時間を大幅に削減、「2024年問題」も克服できると見込む。
新サービスはWMSを利用しない倉庫や、読取り項目が異なる様々な業種にも適用が可能。事業者の現行業務に即したカスタマイズも対応する。
入荷業務の作業フロー(フューチャーアーキテクト提供)
新サービスのベースとなっている技術の「Future EdgeAI」は独自のエッジAI技術を駆使し、漢字、ひらがな、カナ、英数字など様々なフォントの活字に加え、手書き日本語も高精度で読み取ることができる。入荷時の検品業務のほか、製品ピッキング作業時の検品、国際貨物のケースマーク読み取りなど、業務に習熟した作業者の確保が必要とされてきた現場で採用が広がっている。
(藤原秀行)