2024年問題で「給与減った」と回答の運送・輸送業関係者は全体の1割、半数は仕事に今のところ「影響なし」

2024年問題で「給与減った」と回答の運送・輸送業関係者は全体の1割、半数は仕事に今のところ「影響なし」

アシロ調査、労働時間は7割弱が変わらないと回答

東証グロース市場上場のアシロは7月4日、労働問題の相談・対応を得意とする弁護士・法律事務所を検索できるポータルサイト「ベンナビ労働問題」で、運送・輸送業関係者と一般の人を対象に、「2024年問題」に関する意識・実態調査を実施したと発表した。

調査結果はコチラ https://roudou-pro.com/columns/659/
調査の実施概要
・2024年問題の認知度調査
調査対象: 運送・輸送業界に従事する男女1,000人
調査割合: 20代(3.7%)、30代(12.5%)、40代(30.6%)、50代(37.4%)、60代以上(15.8%)
調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日 : 2024年6月21日(金)〜 2024年6月22日(土)
調査対象: 15歳以上の一般男女3,000人
調査割合: 20代以下(5.2%)、30代(10.5%)、40代(20.7%)、50代(26.9%)、60代以上(36.7%)
調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日 : 2024年6月21日(金)

・2024年問題の実態に関する調査
調査対象: 2024年問題を知っており運送・輸送業界に従事する男女400人
調査割合: 20代(2.3%)、30代(12.0%)、40代(31.0%)、50代(39.2%)、60代以上(15.5%)
調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日 : 2024年6月24日(月)

・2024年問題の実感に関する調査
調査対象: 2024年問題を知っている一般男女500人
調査割合: 20代以下(4.0%)、30代(10.2%)、40代(23.0%)、50代(30.6%)、60代以上(32.2%)
調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日 : 2024年6月24日(月)

運送・輸送業関係者1000人と、それ以外の一般の人3000人に対し、「2024年問題」を知っているかどうか聞いたところ、運送・輸送業関係者では72.9%が、一般の人も60.4%が「知っていた」と回答。一般の人の間でも一定程度、認知が広がっていることを示唆している。

ただ、運送・輸送業関係者の3割弱が知らないと答えていることについては、気になるところだ。

また、2024年問題を知っていると認めた運送・輸送業関係者の中から無作為に選定した400人に対し、2024年問題に対して勤務する企業が何らかの対策・対応を講じているか尋ねた結果、45.0%が「すでにしている」と回答。「これからする予定」の7.8%と合わせると、5割超の企業で対策が必要だと認識していることが浮き彫りとなった。

こちらも半数近くで具体的なアクションを取っていないか、もしくは取っているかどうか分からないことが懸念される。

4月の法施行以降、労働時間に変化があったかどうか質問した結果、69.2%は「変わらない」と答えた。「増えた」と回答した方が7.0%なのに対し、「減った」は23.8%だった。

一方、2024年問題を知っていると回答した運送・輸送業関係者の中から無作為に選定した400人に対して、4月以降にこの問題で何か影響があったかどうか聞いた結果(複数選択可)、ほぼ半数が「影響はない」を選択した。

他方で、85人が「自分(従業員)の給与が変わった」を選んでおり、アシロは「残業時間が制限されることで、支給される残業代の減少につながったケースが考えられる」とみている。

「自分(従業員)の給与が変わった」と回答した85人に対して、具体的な変化の内容を確認したところ、43.5%が「1万円以上減った」と回答。「1~9999円の範囲で減った」と回答した14.1%と合わせると、57.6%で給与が減少したことが分かった。

ただ、「自分(従業員)の給与が変わった」の回答者が全体に占める割合は2割程度、減ったと回答した分は1割程度なので、今回の調査だけで「給与が減った傾向が鮮明になった」と判断するのは早計で、引き続き、動向を注目する必要がありそうだ。

運送・輸送業関係者へ最後に、「2024年問題がきっかけで、退職・転職を検討したことがありますか?」と質問したところ、79.2%が「ない」と反応。「実際に退職・転職した」は3.5%、「実際に転職活動をしている」は5.8%で合わせて1割弱だった。

最後に、認知度調査で2024年問題を知っていると回答した中から、無作為に選定した500人に対して「法改正によって配達が遅くなった実感はありますか?」と聞いた結果、92.6%が「ない」を選んだ。

「法改正によって、以前より配達までに時間がかかる場合があることに対してどう思いますか?」との問いには、44.0%が「余裕をもって注文するので、とくに困らない」と答えた。28.6%が「2~3日程度なら許容できる」、21.8%が「1日程度なら許容できる」と回答しており、「許容できない」と回答した方はわずか1.2%だった。

(藤原秀行)※いずれもアシロ提供

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