東海クラリオン調査、歩行者の意識改革も急務
車載機器専門商社の東海クラリオン(名古屋市)は7月9日、全国の男女10~90代の計1000人を対象に実施した「左折事故・巻き込み事故」に関する意識調査の結果を取りまとめた。
「歩行中、トラックや大型車による“左折事故・巻き込み事故”の危険を身近に感じたことはありますか?」との質問に対し、44.1%があると回答。その人たちに「事故の危険を感じた対象者は誰ですか?」と尋ねた結果、「自分」が6割以上で、「他人(通行人)」の約3割を大きく引き離した。
同社は「自分自身に降りかかる事故として、左折事故の危険を経験したことがある人がほとんどだということが分かる」と指摘した。
また、「左折時、トラックや大型車のドライバーが“目視と勘”で距離を測っていることが多いと知っていましたか?」との設問には、57.0%が「いいえ」と回答した。
同社は、日常的に発生している交差点での大型車の左折時の巻き込み事故について、大型車は前輪と後輪の間隔が長いという構造上、曲がる際に後輪が前輪よりも内側を通る「内輪差」が生じ、運転席の反対側は“死角”となるエリアが大きくなると解説。
その中で後方まで全て確認する方法がなく、これまで左折時の確認はドライバーの経験やさじ加減によって行われてきたと指摘した。
今後、車両総重量8tを超える貨物自動車のうち、新型車は2022年5月から側方衝突警報装置を備えることが義務付けられており、継続生産車も今年11月に義務化の対象に加わる。ただ、既存車への設置はまだ進んでいないため、同社は現状でもドライバーの目視と勘に頼っている車両が近くを走行している可能性があると警告、歩行者側も意識改革する必要があると呼び掛けた。
国土交通省の「令和4年(2022年度)管内事業用自動車事故統計」によれば、令和4年(22年)の事業用自動車重大事故件数は268件と減少傾向にあるものの、例年トラックが原因の事故が大半に上っている。死者数・重傷者数を見ると、いずれもトラックが最多。
【調査概要】
調査名 :「左折事故・巻き込み事故」に関する意識調査
調査方法 :WEBアンケート方式で実施
調査対象 :全国10~90代の男女
有効回答数:1,000名
調査実施日:2024年5月1~2日
実施 :東海クラリオン株式会社
(藤原秀行)※いずれも東海クラリオン提供