参加11社に、物流業務効率化図る
三越伊勢丹システム・ソリューションズ(IMS)は7月19日、広島を地盤に百貨店を経営する福屋(広島市)が2024年の中元期からIMSの提供する「共同配送システム」の利用を開始したとを発表した。
中元・歳暮商品を対象とした共同配送の取り組みは、三越伊勢丹ビジネス・サポート、メーカー、卸売業者、配送業者と協業し、百貨店物流業務の効率化と日本の物流システム全体の負荷軽減につなげることを目指している。
「共同配送システム」はIMSが提供する共同利用型の百貨店共通プラットフォームの一つで、クラウドベースで提供し、この取り組みに参加する百貨店各社が利用している。
同取り組みにはグループ外の百貨店各社も加わり、国内8拠点の物流倉庫HUBや取組先梱包所と連携、届け先に近い拠点で配送伝票を発行、そのデータを運送業者と連携し、迅速に配達している。
運送業者はトラックや人員の確保計画を立てられるため、百貨店は包装を外部委託することで、繁忙期でもスムーズに顧客へ商品を配達できるメリットが見込まれる。福屋の加入で、この取り組みへの参加百貨店は11に達した。
中元・歳暮をはじめとするギフト商品の受発注、物流、それをとりまく消費動向や百貨店業界の市場環境が変化し続ける中で、参加百貨店による協業の取り組みの重要性も高まっており、ICTシステムに求められる柔軟性、安定性、機能性のニーズに対応し、IMSはさらに百貨店物流業務の効率化と日本の物流システム全体への負荷軽減に貢献するため、今後もシステムの開発・運行・保守サポートを手掛ける予定。
百貨店共通プラットフォームはIMSが提供する、百貨店ビジネスならではの商取引や顧客サービスに求められるビジネスロジックにおいて、非競争領域のシステムを共通化・共有化することで各社によるシステム構築・保持の負担軽減を可能にするシステム体系の総称として用いている。
共同配送の全体像(いずれもIMS提供)
(藤原秀行)