ワコールグループ、熊本と新潟の2工場を25年に閉鎖へ

ワコールグループ、熊本と新潟の2工場を25年に閉鎖へ

業績不振踏まえ体制見直し、福岡も同業他社に譲渡発表

ワコールホールディングス(HD)は8月26日、傘下で女性用高級下着の生産などを手掛けるワコールマニュファクチャリングジャパン(長崎県雲仙市、WMJ)が、国内の生産拠点を集約・再編すると発表した。

ワコールHDは中価格帯商品の伸び悩みなどで業績が低迷、2024年3月期まで2期連続で営業、純損益がともに赤字となっている。生産体制を見直し、経営の立て直しを急ぐ。

国内5工場に関し、今後は長崎(雲仙市)、福井(福井県坂井市)の2工場に機能を集約、商品のラインアップも見直す。

福岡工場(福岡県久留米市)は設備などを、同じく女性用高級下着などのOEM(相手先ブランドによる製造)を展開しているリライエンス(富山県氷見市)に2025年1月1日付で譲渡する。希望した従業員はリライエンスで引き続き雇用する。

熊本(熊本県上天草市)、新潟(新潟市)の両工場は25年1月末をめどに操業を停止し、同3月下旬に閉鎖する予定。両工場の従業員は、存続する工場への異動または希望退職募集を実施する。

WMJは「標準品質・コストの観点で競争優位性の高い海外工場を最大限に活かし生産比率を一層高める一方、細かい技術品質(高難度・小ロット)・納期(リードタイム)の観点では追随を許さない国内工場の適切な再編を実現することが不可欠と認識し、今回の決定に至った」と説明している。

(藤原秀行)

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