商船三井が世界初、EV輸送考慮した自動車船の自主的火災対策でClassNK認証取得

商船三井が世界初、EV輸送考慮した自動車船の自主的火災対策でClassNK認証取得

カメラとAIシステム活用した早期異常察知など

商船三井は8月30日、同社が運航し、グループのMOLシップマネージメントが管理するLNG(液化天然ガス)を燃料とする自動車船「CERULEAN ACE(セルリアン エース)」に関し、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)からEV(電気自動車)の海上輸送のための自主的な追加火災安全対策が講じられた船舶であることを示す認証「AFVC(Additional Fire-Fighting measures for Vehicle Carrier)」を8月27日付で取得したと発表した。

商船三井によると、EV火災に対する船社の自主的な対策が認証を獲得したのは世界で初めてという。

ClassNKは昨年8月に策定したEV安全輸送ガイドラインの中で、船主や運航管理会社の先進的な安全対策について客観的な評価を行えるよう、火災安全対策を施した自動車運搬船に対する認証規定を盛り込んでいる。

「CERULEAN ACE」は同ガイドラインが規定している中で、「火災の早期発見」「消火」「固定式消火装置の信頼性の向上」の3種類の規定を満たしているとして、認証を獲得した。

3規定の中でも特に先進的な取り組みとして、「火災の早期発見」のため「CERULEAN ACE」を含む新造船の貨物艙内に煙認識のためのカメラとAIシステムを導入した。カメラが捉えた映像をAIが異常と判断すると、船上の乗組員と陸上の管理者に警報を自動発信する。火災車両などの早期発見に有用と評価を受け、認証取得に至ったという。

【本船スペック】
船型 :7,050RT 型 LNGDF 自動車運搬船(高圧式主機)
建造ヤード :新来島どっく 本社大西工場
全長 :199.95 メートル
型幅 :38.00 メートル
最大積載自動車台数 :7,050 台


CERULEAN ACE(商船三井提供)

(藤原秀行)

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