買収提案拒否受け声明、遺憾表明も交渉継続に強い意欲
カナダの流通大手アリマンタシォン・クシュタールは9月8日、買収を提案したセブン&アイ・ホールディングスが受け入れを拒否したことを受け、声明を発表した。
この中で「セブン&アイとの連携は双方の顧客や従業員、フランチャイズ加盟者、株主にとって明確な戦略的かつ財務的なメリットがあると引き続き確信している」と表明。
同時に、「お互いの利益を考慮すると、セブン&アイが友好的な協議も拒否したことは遺憾に思う。協力的な議論がセブン&アイの株主にとって価値向上を見いだせるようになると確信している」と語り、引き続きセブン&アイと交渉していくことに強い意欲を見せた。
さらに「現金で買収できるだけの十分な(財務的)余力がある。当社は強固なバランスシートと強力な投資の信用力を持っている」と述べ、買収額の引き上げに対応していくことをにじませた。
アリマンタシォンはセブン&アイに対し、発行済み全株式を1株当たり14.86ドルで、現金で取得することを提案。今年2月末時点のセブンの発行済み株式総数(約26億3300万株)を基に単純計算すると、買収総額は6兆円前後に上るもよう。
一方、セブン&アイは9月6日、提案内容がセブン&アイの企業価値を「著しく過小評価している」ことなどを理由に、受け入れを拒否する意向をアリマンタシォンに書簡で伝えていた。
(藤原秀行)