備蓄型組立仮設トイレの在庫保管拠点に、入居企業の配送網活用した被災地への迅速配送想定
プロロジスは9月9日、福島県郡山市で先進的物流施設の集積パークを、フクダ・アンド・パートナーズと共同開発すると発表した。
計約13万8000㎡の開発面積に、プロロジスがBTS・マルチテナント型物流施設を複数棟建設する予定。
さらに、プロロジス施設と隣接する区画にフクダ・アンド・パートナーズが物流施設「福島郡山LLタウン棟」を開発し、同社が展開する「福島郡山未来共創センター」を物流施設に併設する計画を立てており、平常時と災害時で機能が変わる防災型リバーシブルビルとして運用する。全体の造成完了は2025年9月を見込む。
物流拠点集積パークの完成イメージ
東北自動車道と磐越自動車道が交差する郡山JCT近接の東北道・郡山中央SIC隣接地に位置し、首都圏へ約3時間、仙台市へ約1時間、新潟市まで約2時間で到達可能と見込む。東北エリアで仙台市に次ぐ人口集積地の郡山市(32万人)の中心部から車で20分(約7km)とアクセスしやすく、雇用にも有利とみている。
物流拠点集積パーク開発予定地
災害時には、磐越道など迂回ルートが確保可能で東北・首都圏にも災害支援物資を運べるBCPの面でも優位性があると見込む。
「福島郡山未来共創センター」は電気3次バックアップシステムを備え、災害時には地域避難拠点、また広域防災連携拠点として機能することを想定している。
飲料や非常食など約6日分の防災食料を備蓄し、災害時には避難者に無償で提供するほか、備蓄型組立仮設トイレ「ほぼ紙トイレ」の在庫保管拠点とし、入居企業の配送網を活用した被災地への迅速な配送を可能にする。
また、開発区域内には防災公園を設置。災害時にはヘリポートとなり、入居企業と連携して救援物資集積拠点として活用するなど、福島県や郡山市と連携した広域防災拠点としての仕組み作りを図る。
各施設はCO2削減を見込める高炉セメントや電炉鋼材を採用。屋上には太陽光パネルと蓄電池を設置し、再生可能エネルギーを区域内に循環させることを視野に入れている。
さらに、電気自動車(EV)から建物などへ給電する「V2Xシステム」の導入を予定しており、福島県沿岸部の市町村との再生可能エネルギーを活用した広域防災連携を目指す。
次世代の物流施設を見据えた取り組みとして、山間部でのドローン物流の検証や東北自動車道で自動運転の実証実験、隣接地への水素ステーションの誘致・活用も検討していく構えだ。
【計画概要】
開発地 |
福島県郡山市大槻町中ノ平地内 |
開発区域面積 |
約138,000平方メートル(約42,000坪) |
開発スケジュール |
第I期造成:2024年4月~同年12月 第II期造成:2024年4月~2025年9月 |
プロジェクトマネジメント ならびに設計 |
株式会社フクダ・アンド・パートナーズ |
(藤原秀行)※いずれもプロロジス提供