ストレッチフィルムの自動・半自動包装機も積極的に供給
積水樹脂は9月11日、東京都内で今後の成長戦略に関するメディア向け説明会を開催した。
馬場浩志社長兼CEO(最高経営責任者)は現行の「積水樹脂グループビジョン2030」で成長戦略の1つとして、民間分野は「物流・FAの省人・省力化に寄与するIoT対応製品の開発・提供」や「RFIDなど新たな物流分野への参入」といった項目を盛り込んでいることを踏まえ、物流や製造現場の省人化を推し進めていく姿勢を強調。
パレット積みした荷物にストレッチフィルムを巻き付け固定する全自動・半自動包装機などを供給し、物流現場の負荷軽減に貢献していくことに強い意欲を見せた。
馬場社長兼CEO
全自動包装機。「国際物流総合展2024」にも出展している(積水樹脂提供)
併せて、自社で製造している、建物の周囲に設置して防犯の役割を担う縦格子フェンスで初めて4分割できるようにし、2枚セットで梱包することでよりサイズを小さく、軽量化して運搬しやすくしたことに言及。「2024年問題」を考慮し、製品の輸配送でも物流現場の負荷軽減に努めていくことを強調した。
馬場社長は「全製品で出荷した後の物を運ぶ段階で積載効率を上げる活動を進めていく。製品を設置するまでの全体の物流工程の改革を進めている」と説明。長距離輸送の中継物流なども拡大していく考えを示した。
併せて登壇した三好永晃取締役執行役員は「当社はフィルムやバンドなどの梱包資材からスタートしており、そうした資材に加えて、資材を使う機材を物流シーンの効率化・省力化により的確につなげていく。『マシーン・アンド・マテリアル』を戦略の一丁目一番地に掲げている」と指摘。梱包・物流分野の省人化を後押ししていくことに自信を見せた。
馬場CEOと三好取締役はこのほか、交通事故防止のため、信号機のない横断歩道に設置しセンサーで横断者を検知すると光で車に注意を喚起する装置「ゆずるくん」や、車が進入するのを防止し歩行者を保護する車止め「プロテクトボラード」などに注力していく方針を明らかにした。
三好取締役執行役員
「ゆずるくん」
(藤原秀行)