小野田副社長がメディア向け説明会で強調、バース入退場管理など組み合わせ
岡山を地盤とする両備ホールディングス傘下で情報システム開発などのICT事業を手掛ける両備システムズは9月2日、今後の事業方針に関するメディア向け説明会を東京都内で開催した。
両備グループのICT部門長で同社の副社長兼COO(最高執行責任者)も務める小野田吉孝氏は、両備グループのICT部門の売上高を2023年度(1~12月)の384億円から30年度に500億円まで伸ばすことを打ち出している現行の中期経営計画に言及。
得意としている公需の領域は政府が進める地方公共団体の基幹系システムの統一・標準化する動きと足並みをそろえ、製造業や流通業、物流業など向けシステムをクラウドサービスとして提供、民需の領域を伸ばしていく考えを示した。また、事業のエリアについても岡山を含む中四国を軸としてきた従来から、今後は全国展開に注力する意向も明らかにした。
特に物流領域は、バース管理システムなど多様なIT技術を組み合わせ、「総合ロジスティクスIT企業」に成長していくことを目指す姿勢をアピールした。
小野田氏は「まずは点で強い領域を作った上で、徐々に広げていきたい」と抱負を語った。
(両備システムズ資料より引用)
小野田氏は物流向けソリューションとして、バース入退場管理システム「R-Teams」や駐車場管理システム「IT-Parking」、AIを駆使して部材などの数を自動的にカウントする「CountShot」を積極的に提供し、「2024年問題」対策として政府から求められている荷待ち・荷役時間の短縮に貢献していく方針を明示した。
「R-Teams」と「CountShot」を組み合わせることで、1運行当たりの荷待ち、荷役作業などに要する時間を約30%、最大で60%削減できると見込んでいることをあらためて解説した。
具体的な26年度の導入目標として、「R-Teams」は現状の4施設から15施設、「IT-Parking」は14施設から30施設、AIを駆使して部材などの数を自動的にカウントする「CountShot」は1施設から25施設までそれぞれ増やしていくことに強く意欲を見せた。
さらに、ロジスティードと連携し、同社グループのロジスティードソリューションズが手掛けるWMS(倉庫管理システム)「ONEs LOGI/WMS」をクラウドで販売していくことについても言及した。
(藤原秀行)