マイナス圏も、中国・上海のロックダウン解除など改善に寄与
NX総合研究所は10月7日、9月時点の「企業物流短期動向調査」結果を公表した。
国内向け出荷量の『荷動き指数』は今年7~9月実績(見込み)でマイナス4となり、7月公表の4~6月実績値より4ポイント上昇した。前回調査より上がったのは3四半期ぶり。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年4~6月はマイナス65と、リーマンショック後の09年1~3月(マイナス75)、同4~6月(マイナス69)に次ぐ11年ぶりの低水準まで悪化。その後は回復傾向が続いていたが、22年に入って再び悪化していた。
前回時点での見通し(プラス3)を7ポイント下回ったものの、改善の動きを見せたことについて、NX総研は「新型コロナウイルスを受けた中国におけるロックダウン(都市封鎖)の解除や部品類などの供給不足の緩和を受け、鉱工業出荷が持ち直したことに伴い、上向いたもよう」と指摘している。
一方、10~12月見通しはゼロで、7~9月から4ポイント上がるとみている。燃油や電気代の高騰など、経営環境は依然厳しいだけに、指数の改善傾向が続くかどうか、見極めるにはさらに時間を要するとみられる。
指数は「増加」の割合から「減少」の割合を引いて算出。調査対象は製造業・卸売業の主要2500事業所で、今回は700事業所が回答した。
7~9月実績(見込み)を15業種別に見ると、消費財や精密機械など6業種が前期から上昇した半面、鉄鋼・非鉄や繊維・衣服、生産財など9業種が低下した。
指数の動き(NX総研リリースより引用)
(藤原秀行)