パッケージ製造のほしゆう、現場デジタル化サービス「カミナシレポート」導入で月3000枚以上の帳票ゼロに

パッケージ製造のほしゆう、現場デジタル化サービス「カミナシレポート」導入で月3000枚以上の帳票ゼロに

取引先からの問い合わせ対応迅速化、信頼向上も実現

カミナシは9月19日、パッケージの製造・販売を手掛けるほしゆう(新潟県燕市)が、カミナシの現場の衛生管理記録などの各種帳票をデジタル化するサービス「カミナシレポート」を導入したと発表した。

ほしゆうの製造部門は月3000枚以上の紙の帳票が不要になったほか、取引先からの問い合わせに迅速に対応できるようになり、顧客からの監査で高評価を獲得、企業の信頼向上にもつながっているという。


(カミナシ提供)

燕三条で1957年に軍手の販売店として創業したほしゆうは、企画・設計・デザインから印刷・製造までを一気通貫して行うパッケージ製造企業。「ハコは プロダクトである」という理念を掲げ、新型コロナウイルス禍でオンラインショッピングのニーズが急拡大する中、「ハコを開けるまでが顧客の購買体験」と定義して、取引先に企画・設計を提案したことが評判を呼び、著名なブランドやメーカーのパッケージづくりを多く担っている。

ほしゆうが製造するパッケージは、最終製品として消費者に届くまでに納品から1〜2年要することも多く、製造時に記録した帳票も同様もしくはそれ以上の期間で保管する必要があった。また、製造工程ごとに紙の帳票を保管していたため、顧客からの問い合わせ時に問題の工程が特定できない場合は、その都度全ての帳票を確認する作業が発生していた。

この作業には半日かかる上、本来は早期対応が望ましい問い合わせの回答に時間がかかってしまうことが課題となっていた。そうした問題の解決のため、ほしゆうは製造部門のデジタル化の初手として、カミナシレポートの導入に踏み切った。

これまでほしゆうの製造工程では、紙の帳票を月に3000枚使用していた上、顧客からの問い合わせ時に対応するため、ダンボール箱に入れて倉庫で1年以上長期保管していた。カミナシレポート採用で紙の帳票がゼロになり、ダンボール箱の置き場も不要になったため、省資源化と保管スペースの削減を実現した。

また、問い合わせへの対応もカミナシレポートの管理画面から対象の期間や工程データをすぐに検索できるようになった。

さらに、紙の帳票に手書きで記録をしていた際は、納品先や商品名などが省略して記入され、従業員ごとに表記の揺れが発生していたが、カミナシレポートの利用開始後は入力時に写真を撮影して記録したり、選択肢から選んで入力したりできるようになり、誰でも簡単に正しく情報を入力することが可能になった。

従業員の意識面でも写真撮影や選択肢を確認しながら入力するオペレーションに変更したことで、「単なる記入」から「正しく記録」に変化しているという。

今後はパッケージ印刷で使用するインキやのりの変更履歴などもカミナシレポートで記録し、製造部門における活用を進めていく予定。製品の質や出来栄えに関わる情報を営業担当者とも情報共有し、顧客への提案や製品企画をより円滑化することも視野に入れている。

(藤原秀行)

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