推進協議会など、新たなJIS基に審査
ドローンサービス品質の向上に取り組んでいる一般社団法人ドローンサービス推進協議会(DSPA、ディスパ)と一般財団法人日本品質保証機構(JQA)は9月25日、新たな日本産業規格(JIS)「ドローンサービスの品質-ドローンサービス事業者に対するプロセス要求事項」(JIS Y 1011)を採用した「ドローンサービス品質認証制度」を開始すると発表した。
ドローンは点検・農業・物流など、さまざまな分野での活用が期待されている。各分野を横断してサービスの一定の品質を確保するために必要な手順などを要求事項としてまとめ、8月20日に制定のJIS Y 1011を基に、多くの分野でドローンサービスを提供しているサービス事業者をJQAが第三者の立場で評価・審査を実施。サービス事業者が提供しているサービスに対して透明性の高い認証を発行していく予定。
現在、ドローンユーザーはサービス事業者にサービスを発注するに際し、事業者のサービス品質を事業者の自己申告内容や過去の実績などでしか判断できず、客観的に評価を行う仕組みがドローン業界自体に存在していない。そのため、サービス事業者がユーザーの求めるサービス内容を正確に把握できなかったり、リスクなどを十分に検討しないままサービスを実施したりすることで事業継続が困難になるなど、適切な事業者を選択できないことで、ユーザーがサービスの利用を控えてしまい、ドローンサービスの普及が進まなくなるという懸念があった。
そこで、DSPAとJQAは公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールドが主体受託者となり国家プロジェクトとして推進してきた、JIS Y 1011の開発に携わるとともに、JIS Y 1011の活用検討、第三者認証などについて官公庁と意見交換を行い、スキームの検討を続けてきた。
認証制度の開始に伴い、ドローンサービス品質認証制度を推進し、多くのサービス事業者がJIS Y 1011に適合することで、ドローンサービス品質の向上・標準化に貢献するとともに、サービス事業者とユーザーの適合を最適化し、物流などのドローンサービス業界の発展を後押ししていきたい考えだ。
■ドローンサービス品質認証制度の概要
【基準】(規格):JIS Y 1011:2024(ドローンサービスの品質―ドローンサービス事業者に対するプロセス要求事項)
【対象】ドローンを利用したサービス全般
【役割】
・認証:一般社団法人ドローンサービス推進協議会(DSPA)
・審査:一般財団法人日本品質保証機構(JQA)
■各機関の役割
(藤原秀行)※いずれもDSPAとJQA提供