不動産証券化協会・菰田会長、今後も物流施設特化型などJリート投資法人の統合・再編続く可能性を指摘

不動産証券化協会・菰田会長、今後も物流施設特化型などJリート投資法人の統合・再編続く可能性を指摘

三井不系と伊藤忠系の合併決定受け

不動産証券化協会の菰田正信会長(三井不動産会長)は9月30日、東京都内で理事会を開いた後に臨んだ定例記者会見で、Jリートの三井不動産ロジスティクスパーク投資法人と伊藤忠商事系のアドバンス・ロジスティクス投資法人が11月1日付で合併する方針を決めたことについて、今後も物流施設特化型に限らず、投資法人が続いて統合・再編に動く可能性があるとの見方を示した。

両投資法人については、物流特化型同士の合併が初めてで、物件供給のスポンサーが異なる投資法人が合併するのも異例のため、投資家などから注目されている。三井不動産と伊藤忠商事は、先進的な物流施設の取得が難しくなっていることなどを受け、双方の事業ネットワークを組み合わせて物件取得やテナント獲得を強化していく狙いがある。

菰田会長は今回の合併に関し「いくつかある物流(施設特化型)リートがこれから再編される1つのきっかけになるだろうということでは、あまり考えなくてもいいと思っている」と指摘。

同時に、「物流に限らずJリート全体ではなかなか新しい投資機会が得られなかったりする中で、インプライドキャップレート(市場が要求する利回り水準)に合う物件をいかに取得するかとなると、自分たちのネットワークだけではなく、他の投資法人が持っているネットワークを生かし、相乗効果の中で、新しい物件を取得して外部成長していくことが1つの手段になるだろう」と指摘。Jリートの投資法人間の合併がこれからも起こる可能性があると展望した。


会見する菰田会長

菰田会長はまた、次期首相に就任予定の石破茂自民党新総裁の経済政策について感想を聞かれたのに対し「ネガティブな印象は持っていない。金融マーケットに影響があり、それが不動産市場に影響を与えるかもしれないが、総じて中立ではないか」と語った。

同日の理事会で決定した2025年度の制度改善・税制改正要望に関しては、不動産証券化の際に資産と投資家をつなげる機能を持つ特定目的会社(SPC)といった「不動産ビークル」の登録免許税・不動産取得税を軽減する措置を延長することなどを強く求めていく姿勢を打ち出した。

(藤原秀行)

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