ルートを延伸、配送の人手不足などカバー狙う
パナソニックホールディングス(HD)と東急、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)の3者は10月9日、川崎市麻生区のUR虹ヶ丘団地で、配送業界の人手不足など社会課題の解決や、少子高齢化が進行する郊外住宅地における買い物の利便性向上とコミュニティ形成による地域活性化を目指し、2023年11月から今年6月まで継続してきた世界初となる郊外住宅地における空中配送ロボット技術を活用した新たな配送サービスの実証実験に関し、より拡大した形で新たに実施すると発表した。
前回はUR都市機構が所有する敷地内で配送するルートだった。10月からは川崎市と連携しながら前回のルートから分岐し、空中配送ロボットが団地敷地内の同市が管轄する市道(川崎市道)を横断し、延伸する形で実証実験を行う。期間は今年12月下旬までの予定で、不定期で運行する。
東急ストア、東急バス、URコミュニティ、吉野家も実験に協力する。
(3者提供)
首都圏の行政と連携し、空中配送の実証実験を行うのは初めて。3者は今後、「街のインフラ」となる将来像に向けた重要な第一歩になるとみている。
併せて、市道を横断する今回のルートは、UR虹ヶ丘団地の団地内集会所の入り口まで配送を行うことで、利用者の利便性をさらに向上したい考え。集会所を活用している住民もサービスを利用しやすくなり、集会所を利用したコミュニティ活性化への寄与も期待できるとみている。
さらに、集会所内に設置する会員登録不要のタッチパネル端末からの注文受付も開始すると同時に、支払い方法の見直しを行い、これまでのクレジットカードや一部の電子決済に加え、現金の取り扱いを始める。幅広いユーザーに多様な場面での利用を促進できると想定している。
(藤原秀行)