霞ヶ関キャピタル・杉本副社長、従量課金制の冷凍保管サービスで他社の空きスペース解消に協力も視野

霞ヶ関キャピタル・杉本副社長、従量課金制の冷凍保管サービスで他社の空きスペース解消に協力も視野

年間500億~1000億円規模の開発見込む

霞ヶ関キャピタルの杉本亮副社長は9月27日、埼玉県三芳町で竣工した新たな物流施設「LOGI FLAG TECH(ロジフラッグテック)所沢Ⅰ」を公開したのに合わせて、現地で記者会見した。

杉本氏は、同社として注力している冷凍・冷蔵倉庫に関し、今後も年間5~8件、事業規模で500億~1000億円程度のペースで開発用地を取得、プロジェクトを展開していくとの見通しを示した。

また、「LOGI FLAG TECH所沢Ⅰ」で自動冷凍倉庫を導入、パレット単位で小ロット・短期間の保管も受け入れられるようにしていることについて「マイナス25℃は人が働く環境としてはふさわしくない」と背景を説明。より温度が高い5℃などの冷蔵倉庫でも自動化を積極的に進めていきたいとの意向を明らかにした。

今後の展望としては、まず「LOGI FLAG TECH所沢Ⅰ」の運営を黒字化していくことを目標に挙げ、「(パレット保管の)95%くらいが稼働すれば黒字化すると思っている」と語った。そのため、同施設の自動冷凍倉庫を活用して本格的にスタートする、グループのX NETWORK(クロスネットワーク)がパレット単位で小ロットから対応する従量課金制の冷凍保管サービス「COLD X NETWORK(コールドクロスネットワーク)」の需要開拓に強い意欲をのぞかせた。

併せて、同サービスを使い、他社が開発・運営している冷凍・冷蔵倉庫の空きスペース解消に協力することも視野に入れていくスタンスを明示した。


会見する杉本氏


「LOGI FLAG TECH所沢Ⅰ」の自動冷凍倉庫。パレット単位で利用可能にする

杉本氏は「弊社だけで何かをやるのは限界がある。メーカーや冷凍設備会社などの知見と経験をお借りしながら作っていく、その上でパートナーをまとめ上げていくのが弊社の得意とするところ」と説明。他のデベロッパーも含めて共同開発を積極的に模索していく姿勢をアピールした。

今後の冷凍・冷蔵倉庫の展開については「人口が集積し、かつ交通の利便性が良いエリアは日本全国どこでもターゲットになり得ると思っている。消費地に加えて生産地側にも結構ニーズはある」と指摘。広域で開発を検討していく姿勢を見せた。

併せて、自社開発の冷凍・冷蔵倉庫での事業展開に加えて、他社が開発・運営している倉庫との連携も視野に入れていると解説。「空いていて困っている、COLD X NETWORKで解決できないか、ということであれば、荷物を集めるということもやっていきたい。他社さんも巻き込んだ『他倉庫連携』で全体として冷凍倉庫のニーズをつかまえていくような動きをしたい」と話した。

COLD X NETWORKに関しては、将来は利用予約を全てインターネットで完結できるようにするほか、需給の状況に応じて料金を変動させる「ダイナミックプライシング」も実現していきたいとの考えを語った。

(藤原秀行)

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