旺盛な需要受け、既存センターの転用にも意欲
大和ハウス工業は10月10日、物流施設や商業施設、小売店舗、工業団地などの開発を手掛ける「事業施設事業」の今後の計画に関するメディア向け説明会を東京都内の東京本社で開催した。
同社の更科雅俊執行役員建築事業本部長は、物流施設を中心とした開発物件の売却が堅調に進んでいることから、2024年度(25年3月期)の同事業の収益計画予想を上方修正したと説明。
今後は冷凍・冷蔵倉庫の需要が旺盛なことを踏まえ、引き続き3温度帯(常温・冷凍・冷蔵)に対応可能な物流施設を積極的に展開していく姿勢を強調した。併せて、既存の物流センターを冷蔵倉庫に転用(コンバージョン)していくことにも取り組んでいく考えを見せた。
また、物流施設のテナント企業向けに、業務のDX支援にも注力していく意向をアピールした。
更科氏は、物流施設需要について、「2024年問題」を受けて長距離の中継拠点として活用可能な物件への関心が高まっていると解説。全体の動きとして、供給量が大幅に増えている影響もあり「満床になるまでに1年程度は要しているが、需要は引き続き堅調だ」と指摘した。同時に、建築コストの上昇や建設現場の人手不足が響き、工期が若干伸びるなど不安定になっている部分もあると語った。
神奈川県平塚市で開発した「DPL平塚」では、施設の入場ゲートや入出荷バースにAI搭載カメラを設置し、トラックの動きや荷役作業の様子を捉え、トラック待機時間や荷役作業の実態を可視化するシステムの実証実験を展開していることを明らかにした。
(藤原秀行)