物流需要の成長見込み、倉庫配置も視野
三菱倉庫は11月13日、東京都内の本社でメディア懇談会を開催し、グローバル戦略を説明した。
この中で、同社グループの欧州法人、欧州三菱倉庫がポーランドに、東欧初の拠点を開設することを明らかにした。同国が東欧最大の人口と労働・製造市場を抱え、今後も現地に進出している日系企業などからの物流需要が見込めると判断した。
また、昨年10月に買収が完了した、米国と英国で医薬品・ヘルスケア関連の物流などを手掛けるCavalier Logistics(キャバリエ・ロジスティクス)グループと連携し、医薬品物流への対応をさらに強化していく意向を示した。
東欧初の拠点はポーランドのワルシャワに、支社を12月1日付で立ち上げる。ワルシャワはこれまでドイツに展開している事務所の関連オフィスを配置していたが、保管や輸配送のニーズによりきめ細かく対応するため、支社を開設して事業基盤を強化する。
三菱倉庫は欧州でフォワーディングや保管・配送、貿易代行などの幅広いサービスを展開。日本やタイから輸出した食品などをオランダのロッテルダムに構える倉庫で受け入れた上で、欧州域内へ配送している。ポーランドに支社を配置し、東欧などのエリアでの物流機能を高めていきたい考え。
懇談会に登壇した三菱倉庫の安部洋介国際輸送事業部長は「ポーランドには日系企業が300社以上進出している。欧州における重要な生産拠点になっている」と指摘、こうした企業に輸送から在庫管理まで一貫して担う「トータルロジスティックスサービス」を提供していくことに意欲を見せた。
また、ポーランドでワルシャワに続いて複数箇所、さらに拠点を構えることを検討するとともに、倉庫を配置することも視野に入れていく姿勢を見せた。
キャバリエについては、三菱倉庫倉庫事業部の石垣健太朗副部長が、米東海岸のノースカロライナ州で2025年1月に面積1万1904㎡の新たな倉庫が開業する予定となっていることに言及。近隣には日本を含む多くの製薬会社の製造拠点が立地していることを踏まえ、温度管理倉庫として展開し、工場向け原薬の保管や製造後の製品保管などを提供していくことを想定していると語った。
(藤原秀行)