「新たなモーダルシフト」でダブル連結トラックや航空貨物活用提唱、「10年で輸送量や分担率2倍」視野に

「新たなモーダルシフト」でダブル連結トラックや航空貨物活用提唱、「10年で輸送量や分担率2倍」視野に

国交省の官民懇談会が対応方針取りまとめ

国土交通省は11月22日、「官民物流標準化懇談会 モーダルシフト推進・標準化分科会」が取りまとめた、「2024年問題」などの課題解決のために鉄道や内航海運へのモーダルシフトを促進する対応方針を公表した。

民間の試算などで現状を放置していると2030年度に輸送力が34%不足するとの事態を確実に回避するため、既に打ち出している鉄道貨物輸送や内航海運へのモーダルシフトを後押しするのに加え、「新たなモーダルシフト」としてダブル連結トラックや航空貨物輸送の利用も拡大するよう提唱。

ダブル連結トラックや航空貨物輸送についても、鉄道や内航海運と同様に、2030年代前半までのおよそ10年程度で輸送量と輸送分担率を2倍にさせることを視野に入れるよう求めている。

国交省は対応方針を基に、関係省庁などと連携、政策への反映を進める。

対応方針は、鉄道や内航海運へのモーダルシフトを加速させるため、小口貨物の混載輸送やパレット化、貨物駅のコンテナホーム拡幅や線路改良、路盤強化、港湾のコンテナやシャーシ置き場、岸壁の整備などへの支援を進めるよう提案。

鉄道に関して輸送余力などをより広い対象に見える化したシステムを導入することも盛り込んでいる。内航海運は自動運航船の本格的な商用運航実現に向けた環境整備、海技人材の確保へ海技士資格の取得ルート多様化や制度の改善を図ることを示している。

新たなモーダルシフトの具体策として、ダブル連結トラックの中小事業者向け導入支援や自動運転トラックの早期実用化への支援、高速道路ICと円滑に接続できる物流拠点の整備などを列挙している。

(藤原秀行)

政策カテゴリの最新記事