30年ごろまでの実用化見込む
日本航空(JAL)は11月22日、再生可能エネルギーの活用促進などに取り組む日本グリーン電力開発(東京都千代田区一ツ橋)と連携し、食用に適さない規格外のココナッツを原料にして環境負荷の低い航空燃料「SAF」を製造する事業の商用化を目指すと発表した。11月20日付で覚書を締結した。
(プレスリリースより引用)
ココナッツは全世界で年間7000万~1億tが生産され、そのうち約30%が未成熟や発芽などの理由で食用に適さない規格外となっている。
日本グリーン電力開発は規格外のココナッツを有効活用するため、2018年からインドネシアで調達した規格外ココナッツを新たな原料としてSAFの製造を図っている。
22年にはSAF導入促進のための官民協議会におけるパイロット事業者の1社として、ICAO(国際民間航空機関)の脱炭素のための枠組み「CORSIA認証」取得の手続きを進め、今年3月には規格外ココナッツがSAFの原料として新規登録された。
規格外ココナッツを原料とするSAFは2030年ごろまでに実用化が見込まれており、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業に採択されるとともに、アジア各国と、経済成長とエネルギー安全保障を確保しつつ脱炭素化を進める取り組み「AZEC」(アジア・ゼロエミッション共同体)協力案件の1つになっている。
JALは「2030年に全燃料搭載量の10%をSAFに置き換える」との目標を設定しており、今回の取り組みも達成に向けた施策の一環。
(藤原秀行)