AIやQRコードで利便性向上図る
デンソーと三井倉庫ロジスティクスは11月25日、荷物を積載するコンテナ部分を脱着できるスワップボディコンテナ車両を用いた幹線中継輸送サービス「SLOC」(Shuttle Line of Communication)を活用し、混載輸送サービスの実用化に向け、長期実証実験を同日開始したと発表した。
期間は2025年5月末ごろまでの約6カ月間を想定している。
両社は23年7月10~14日の5日間にわたって共同で行った実証実験で、SLOCが物流における「2024年問題」の解決につながる有効な手段と確認。スワップボディコンテナ車両を使用することで、車
両が出発地点に到着するまでにコンテナへの混載作業を行うことができたという。
車両はコンテナを交換するだけで速やかに出発できるようになり、ドライバーの待機時間の短縮につながった。SLOCを活用した混載輸送は、計画した時間通りの運行の実現に効果的と判断した。
今回の実証実験は、三井倉庫ロジが実際に執り行う業務の中で実施。SLOCと三井倉庫ロジの製・配・販連携ロジスティクスプラットフォームを組み合わせて、前回の実証時から共同領域を拡大させた運用を行い、中継輸送と混載輸送を組み合わせたサービスの実用化に向け課題をより具体的に洗い出すことを目指す。
荷主が希望する運行スケジュールを実現しながら、複数荷主の荷物をデンソーの独自AIアルゴリズムによって算出した最適な組み合わせで混載し、積載率を向上できるかどうかを見極める。
スマートフォンとQRコードを活用し、コンテナが正しく中継されたかを管理する中継管理システムを運用することで、利便性が高まるかどうかも検証する。
実証実験のイメージ(両社提供)
(藤原秀行)