暴言・罵倒が最多、金品要求やごみ郵送も
引っ越し事業者のアップルは12月2日、社内の現場スタッフやコールセンター、営業の担当者を対象に、カスタマーハラスメント(カスハラ)被害に関する実態のアンケート調査結果を公表した。
スタッフの約8割がカスハラを経験していることが判明。実態が浮き彫りとなったと指摘している。回答した人数などの詳細は開示していない。
事例の内訳では、「暴言・罵倒」が60%で最も多く、「威圧・脅迫」が10%、「理不尽な要求」が8%などと続いた。
カスハラに関する社内アンケート結果(アップル提供)
具体的な事例として、以下のものを列挙している。
・引っ越し完了後に数十件もの電話で罵声を浴びせられ、呼び出された
・交通クレーム対応中に「死ね」「殺すぞ」といった命に関わる脅迫を受けた
・詐欺だ!お前は馬鹿か?なめてんのか?お前を訴える!個人の電話番号とフルネームを言え!今からそこへいくからな!今すぐ謝罪に来い!役職がない人とは話にならないから上司に代われ!どうなるか覚えてろよ!つぶす!頭悪いな!SNSで発信するからな! などの罵声
・激高して大声で叫び、長い場合は1時間以上同じ内容を繰り返した後、捨てセリフを吐き一方的に電話を切る
・個人的に金品要求、過剰な要求、SNSでの等の根も葉もない事を実名でさらす、ごみを郵送される
同社は社内相談窓口を設け、カスハラを受けたスタッフがすぐに相談・報告できる専任対応者を配置するとともに、過剰な対応歴がある人には社内での利用者禁止リストを作成し、悪質な対応を阻止すると説明。過度なハラスメントに対しては、法的措置も視野に入れて対応を検討すると強調している。
併せて、顧客向けのガイドラインを作成し、理解と協力を呼び掛けている。
(藤原秀行)