3~7%の燃費改善見込む
商船三井は2月17日、船舶に設置するうろこ型の水流改善装置を開発している米国のスタートアップ「13 Mari」(サーティーン マリ)に出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
13 Mariが開発している省エネ装置のイメージ
同装置は、航空機の翼の形状や自動車のエアロパーツとしても取り入れられている技術を採用。船体付近の水の流れをコントロールして抵抗を低減し、船舶本来の性能を引き出して船舶の燃費改善と安定航行を実現することを念頭に置いている。
船側に同装置を合計10~20個程度装着すれば、約3~7%の温室効果ガス排出と燃費の削減効果が期待できるほか、風力推進装置や各種フィンなど既存の省エネ装置と併用すればさらに省エネ効果を高められると見込まれているという。
うろこ型省エネ装置がもたらす抵抗削減効果イメージ(いずれも商船三井提供)
様々な船型に新造船・就航船を問わず装着できる上、大掛かりな設備投資や搭載工事も伴わないため、迅速に活動できるとみている。特に船上の機器配置スペースの都合などで風力推進装置の導入が進みにくい中小型船分野や、新船型の設計開発や寄港地の制約から次世代燃料船の導入が限定的となっているドライバルク分野で、活用が見込めるという。
(藤原秀行)