事業展開拡大や物流効率化も狙い、ウォルマートは持ち分全株譲渡し日本市場撤退へ
九州を地盤としているディスカウントストア大手のトライアルホールディングス(HD)は3月5日、総合スーパー大手の西友を買収すると発表した。
米投資ファンドのKKRと米ウォルマートから7月1日付で全株式を取得し、完全子会社化する。取得額は約3800億円の予定。
トライアルHDはディスカウントストア「トライアル」で生鮮食品や日用雑貨品、アパレル、ホビー用品など多彩な商品を取り扱い、24時間営業を原則としている。グループには100%子会社で九州を中心にチルド物流などを展開しているティー・エル・エスを抱えている。
西友を傘下に収め、九州以外にも関東などで事業展開を加速させたい考え。物流の効率化やEC事業の強化なども図る。
西友はウォルマートと組んで経営再建に取り組んだが、2021年にKKRと楽天(現楽天グループ)が株式の85%を取得。楽天は西友とインターネットスーパーの拡大を図ったものの、23年にKKRへ株式持ち分を譲渡した。現在はKKRが西友株式の85%、残りをウォルマートがそれぞれ所有している。
ウォルマートはトライアルHDに株を全て売却することで、日本市場から撤退するもよう。
(藤原秀行)