医療関係者の移送も、平時でも運用可能な体制の社会実装目指す
メディパルホールディングス（HD）と三菱倉庫は3月10日、メディパルHD傘下のメディセオと三菱倉庫の両社が、欧州の航空大手エアバスグループのエアバス・ヘリコプターズ・ジャパンと組み、2024年12月18～20日、「空飛ぶクルマ」（eVTOL、電動垂直離着機）を航空医療分野で活用するための実証実験を行ったと発表した。
大阪府、大阪市と兵庫県の「空飛ぶクルマ社会実装促進事業」に応募、採択されたのを受け、実証実験に踏み切った。
空飛ぶクルマのイメージ（プレスリリースより引用）
実験は自然災害が発生したとの前提で、空飛ぶクルマを模した最新鋭のヘリコプターを活用し、大阪府と兵庫県の都市部、山間部、離島などの計3ルートで、医薬品の輸送や医療関係者の移送を実施した。
両社は目標とした「必要な関係者および緊急時の諸手続きの事前把握」「社会実装時にスムーズな連携を図る準備」を確認できたと強調している。
エアバスは航空業界で培ったノウハウを基に開発したヘリコプターを駆使し、迅速で確実なシミュレーションを担当。メディセオは過去の経験から災害時における医薬品配送手順の策定・検証、エリアの医療機関との調整を担った。三菱倉庫は大阪支店桜島第一営業所（大阪市）の岸壁エリアをバーティポート（場外離着陸場）として提供した。
3社は各行政との連絡体制、飛行申請・バーティポートの許可といった申請手順きの確認を行い、社会実装を目指す。
（藤原秀行）
