JA三井グループなどと連携、外部に供給
安田倉庫とJA三井リースは3月24日、両社とJA三井リース傘下で再生可能エネルギー普及を手掛けるJA三井エナジーソリューションズ、農林中央金庫とアイ・グリッド・ソリューションズが共同出資しているサーキュラーグリーンエナジーの4社が、余剰電力循環型太陽光PPAサービス契約を締結したと発表した。
安田倉庫の九州営業所(福岡県大刀洗町)の屋根に設置した自家消費型太陽光発電設備の稼働を開始した。
余剰電力循環型太陽光PPAは、施設の屋根などに設けた発電設備で生み出した電力のうち、施設で自家使用しきれない余剰分を他の電力利用者に適宜供給することで、最大限有効活動できるようにする。
安田倉庫グループは2030年までにCO2排出量を22年度比で30%削減することを目標に設定。実現のため、自家消費型太陽光発電設備やオフサイトPPA(需要家が敷地外の発電設備から電力を調達する契約)など再生可能エネルギーを積極的に活用してきた。
これまで物流施設は、広大な屋根面積がある一方で電力使用量が少ないため、屋根全面に自家消費型太陽光発電設備を導入すると余剰電力が発生し、発電した再エネ電力を有効活用できないことが課題となっていた。
サーキュラーグリーンエナジーの提供する余剰電力循環型太陽光PPAは、アイ・グリッド独自の余剰電力予測AIを活用し、余剰電力はアイ・グリッドが買い取り、他の電力利用者へ供給する。電力使用量が少ない物流施設も屋根のスペースを最大限発電に活用することで自家消費量が増加し、再エネ比率を最大化できるのがメリット。
今回の取り組みによる電力供給は年間約56万6000kWhで、このうち約33万9000kWhを安田倉庫九州営業所で自家消費し、余剰電力約22万7000kWhをアイ・グリッドから他の電力利用者に供給する計画。
安田倉庫は同営業所の消費電力全体の約41%に相当する電力を再生可能エネルギーに切り替えることとなり、CO2排出量を年間約15万7000kg削減できるとみている。
余剰電力分の約22万7000kWhはCO2フリー電力として他の利用者に供給することで、国内全体の再生可能エネルギーの普及(CO2排出量年間約10万5000kg削減)につなげることを想定している。
余剰電力循環型太陽光PPAの概要
安田倉庫九州営業所の発電設備
(藤原秀行)※いずれも安田倉庫提供