「導入イコール省人化」などとアピール
ヤマト運輸と福山通運は6月27日、国土交通省が同日開催した社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会の物流小委員会(委員長・根本敏則敬愛大教授)で、1回の運行でより多くの荷物を運ぶことが可能なダブル連結トラックの稼働状況を報告した。
両社担当者はダブル連結トラックの運行で省人化などの効果が出ていると説明。長距離輸送は今後一段のドライバー不足が見込まれる中、利用できる高速道路の路線をより拡充するよう要請した。
ヤマト運輸ネットワーク総括部の加地慎二マネージャーは、同社と日本通運、西濃運輸、日本郵便の特積み主要4社が共同で今年3月から関東~関西間の幹線共同輸送に投入している「スーパーフルトレーラSF25」の活用状況を報告。4、5月は運行台数を約5割、CO2排出量は約4割減らせているなどと成果を示した。
その上で、現在は「新東名道の神奈川・海老名JCT~愛知・豊田東JCT」を全体の50%以上含むことが使用条件とされている点について、「神奈川・厚木~仙台」(414キロメートル)と「関西~福岡」(599キロメートル)に対象区間を延伸するよう要請した。
ダブル連結トラックを投入すれば省人化を図ることができる上、モーダルシフトを組み合わせれば地方から関東への長距離便の荷物量が少ない「片荷運行」を減らせると主張。「今後間違いなく物流業界の労働力が不足していくと予想される中でダブル連結トラックは導入イコール省人化につながる」と訴えた。
条件見直し前提に拡大計画を公表
福山通運営業本部の小林恭業務課長は2018年度の実績として、神奈川・相模原~名古屋間で21メートルのダブル連結トラックを年間232日、25メートルは235日運行し、いずれも無事故を継続していると解説。走行条件対象路線の見直しを前提として、25メートルのダブル連結トラックは名古屋~広島や広島~山口・下関、栃木~岩手・北上など5路線に拡大する計画を明らかにした。
併せて「25メートルダブル連結トラックのメリットは『切り離しと連結』を効率良く行うことと考えている。今後ともダブル連結トラックの先駆として安全第一に運行していくので走行エリア拡大への理解をお願いしたい」とPRした。
(藤原秀行)