11万㎡、フロア間の自動搬送を実現
プロロジスは4月8日、千葉県八千代市で竣工したマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク八千代2」をメディアなどに公開した。
隣接地で2022年10月に完成した「プロロジスパーク八千代1」に続き、同エリア2棟目の物件となる。
「プロロジスパーク八千代2」は地上6階建て、延床面積は約11万㎡。既にEC物流支援を手掛けるSTOCKCREW(ストッククルー)が一部区画に入居している。
「プロロジスパーク八千代2」の全景(プロロジス提供)
「プロロジスパーク八千代2」は大成建設が進める宅地開発事業地「八千代もえぎ野」の一環として造成した「もえぎ野複合業務地区」に位置。国道16号から約2kmと至近で、東京都市圏の消費地と関東広域の両方をカバーできる立地とみている。
免震構造を採用し、マテハン機器など大規模機械を導入しやすいよう配慮。「プロロジスパーク八千代1」と同じく、次世代の物流ニーズに応える「ロボフレンドリー」な設計を採用し、AMR(自律走行搬送ロボット)や無人フォークリフトといった先進機器の導入・運用を前提とした広くてレイアウト変更をしやすい空間設計を施している。
「プロロジスパーク八千代1」で稼働するAMR(プロロジス提供)
「プロロジスパーク八千代2」はOcta Robotics(オクタロボティクス)のロボット・建物設備間連携インターフェースサービス「LCI」を採用し、フロア間の自動搬送を実現。1~5階のノンブレース構造は大型マテハンや自動倉庫などのレイアウトの自由度を高め、ロボットによるシームレスなオペレーションを支えられるとみている。
加えて、特別高圧電力受電により、冷凍・冷蔵設備や館内空調といった高負荷機器の稼働にも対応。多様な業態へのロボティクス運用や自動化をサポートできるよう腐心している。
災害時の物流オペレーション中断リスクを最小限に抑えるため、断水時には地下水浄化システムによりトイレ用水を確保し、停電時には共用部の電力を約72時間維持可能な非常用発電機を備えるなど工夫している。
倉庫内
「プロロジスパーク八千代1」は2022年11月に地元の八千代市と「災害時等における施設利用の協力に関する協定」を締結済み。「プロロジスパーク八千代1」、「プロロジスパーク八千代2」ともに連携し、災害発生時に同市の要請に応じて災害復旧支援に注力する。
各階トラックバースの間口は11mスパンで設計しており、4t以下のトラックは1スパンに3台の着車が可能。敷地内には284台分の乗用車駐車場と17台分のトラック待機場を整備した。
トラックが止まりやすいよう間口を広く取ったバース
明るい雰囲気のカフェスペース。商談などに使える個室も備えている
竣工記念式典であいさつしたプロロジスの山田御酒会長兼CEO(最高経営責任者)は「千葉県が当社最大の物流施設開発地で23棟、165万㎡の実績がある。災害時におけるBCP、環境に優しい建物、最重要の要件として働く皆さんにとって安全・安心な施設という観点を重視した。世界で最も進んでいる物流施設になったのではないかと思っている」と語った。
「プロロジスパーク八千代2」施設概要
名称 |
プロロジスパーク八千代2 |
所在地 |
千葉県八千代市保品字蕨谷1803-7 |
敷地面積 |
約47,500㎡(約14,300坪) |
延床面積 |
約110,000㎡(約33,400坪) |
構造 |
地上6階建、(柱RC造、梁S造)、免震構造 |
着工 |
2023年9月 |
竣工 |
2025年4月 |
(藤原秀行)