6割以上の作業省スペース化も達成
NEXT Logistics Japan(NLJ)は4月18日、将来の自動クロスドック(物流結節点)運用をにらみ、アイシンや豊田自動織機と共同で自動荷役の効率化を目指した実証を行ったと発表した。モビリティ・ハブにおける情報連携に向け課題を抽出した。
実証は経済産業省が実施する令和6年度(2024年度)「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業」の下で委託事務局が公募する「物流MaaSの実現に向けた研究開発・実証事業(見える化・自動荷役等による輸配送効率化)」の実施団体として行った。
自動運転フォークリフトと自律走行搬送ロボットにそれぞれの作業を特化・分担させ、動作領域の融合を図るとともに、装着・脱着の手間を要さない新たな養生材を開発・活用し、トラックへの荷積み・荷降ろし作業を行った。
使用エリアは前回実証比で6割以上の省スペース化、作業時間は約25%の短縮をそれぞれ達成。NLJは有人作業と同等の荷役時間および効率を実現できることを確認したと説明しており、今後も実用化を目指して取り組みを続ける。
■実証結果と次の取り組み
・自動荷役の効率化
小回りの利く自動運転フォークリフトを採用し、荷物の垂直運搬作業に特化させるとともに、水平運搬作業は自律走行搬送ロボットが担当し、動作領域の融合を図る。さらに荷役作業に影響する養生材を改善し、トラックへの荷降ろし/荷積み作業のレイアウトやデータ取得と評価を実施。
(1) 有人作業と同等レベルの荷役時間・荷役スペースでの自動荷役を達成。
(2) 装着・脱着の手間がかからない新たな養生材を開発・採用し、荷役時間の短縮に寄与。
(3) 今後は、実装に向けて対応可能なパレットのバリエーションを増やすことを目指す。
・モビリティ・ハブにおける情報連携
将来、共同輸送用自動運転トラックと連動することを想定し、モビリティ・ハブにおいて物流効率化に貢献する機能や協調が可能な領域の抽出を実施。
(1) 積み付け情報など、物流の効率化に資する情報連携項目の明確化。
(2) モビリティ・ハブ間、および荷主・運送事業者との間で情報連携が必要不可欠な項目を明確化。
(3) 今後は、情報連携機能に必要なデータの整理、入手方法や運用などを検討。
■各社の役割
アイシン
・自律走行搬送ロボットの提供
豊田自動織機
・自動運転フォークリフトの提供
NEXT Logistics Japan
・実証の要件定義
・実証場所、機器(車両等)の提供
・自動運転フォークリフトと自律走行搬送ロボットの機器間連携
・実証効果測定・取りまとめ
(藤原秀行)※いずれもNLJ提供