2本のアーム活用、実証実験進行中
川崎重工業は5月8日、AIロボティクスソフトウェアの開発などを手掛ける米国のユニコーン(企業価値が10億ドル=約1400億円以上の未公開企業)Dexterity(デクステリティ)と戦略的提携を結び、トラックへの自動荷積みを行う同社のAIバンニングロボット「Mech」(メック)を共同開発したと発表した。
共同開発で川崎重工は「Mech」向けのロボットアームの開発を担った。
「Mech」は、物流施設でトラックへの荷積みをAIによって自動化するロボット。川崎重工は世界初と説明しており、物流施設内を自走し、2本のロボットアームを用いてトラックに荷積みする。
国際的な物流企業の施設で、「Mech」の現場導入に向けた実証実験が進められているという。
「Mech」に搭載したロボットアーム
トラックへの荷積みの様子
川崎重工が開発したロボットアームは、トラックの狭い荷室内での最大限の動作範囲と動作の自由度を確保するため、一般的な産業用ロボットアームが採用している6軸よりも多い8軸を実現した。
さらに、「Mech」のコンパクト化・低コスト化に貢献するため、トラックへの荷積み作業に必要な強度を維持しながら軽量・スリム化を果たした。
ロボットアーム1台当たりの最大可搬質量は30kgで、Dexterityが保有する高度なAI技術と組み合わせることで、これまでロボットによる自動荷積みでは難しかった荷物の大きさや重さを考慮した適切な位置への効率的な荷積みを実現した。
荷物の大きさを認識し、大きさの異なる荷物を組み合わせて荷室の隅にまで効率良く積載することや、配送中の荷崩れを防ぐために荷物ごとの重量を踏まえて、荷重を分散させて積み込むことが可能。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用