熱中症対策として期待
イノフィスは5月21日、冷却装置のペルチェデバイスとファンを搭載した「マッスルスーツCOOL VEST」を5月26日に発売すると発表した。
同社は2014年に腰補助用のアシストスーツ「マッスルスーツ」の販売を開始。シリーズの累計出荷台数は2024年4月末時点で国内外3万台を突破している。
近年、マッスルスーツを使っている建設・物流・農業・製造業などの現場で夏季の熱中症対策が喫緊の課題として挙げられていることに配慮した。新製品は昭和商会が発売している「COOLFIX PLT2 AIR」と同じものという。
マッスルスーツCOOL VEST
従来のファン付きジャケットは「酷暑環境では清涼感が得られない」、水冷服は「氷の補充が大変」「作業の邪魔になる」といった声が上がっており、着用時にマッスルスーツなどの装備品と干渉してしまうという課題もあった。
新製品「マッスルスーツCOOL VEST」は、このような暑熱対策の課題を1着で解決することを目指して開発。マッスルスーツとの併用も可能で、ペルチェデバイスによる直接的な冷却と、ファンによる送風という2種類の冷却機能を搭載することで、従来の対策グッズの課題を克服し、より効果的かつ快適な暑熱対策を提供できると見込む。
6月1日に政府が改正労働安全衛生規則を施行、職場の熱中症対策を義務化することもあり、物流などの現場で広く利用を呼び掛ける。
付属のモバイルバッテリーのスイッチを入れると、ウェアの首元にあるペルチェデバイスが起動。ペルチェは電気を流すと熱を吸い取る特性があり、体の熱を吸い取って冷やす仕組み。
ウェアのファンによる気化熱と、ペルチェデバイスの局所冷却によりダブルの冷感を得られるという。ペルチェデバイスとファンはともに3段階の温度・風量設定が可能。
サーモグラフィによる感熱調査
室温29度・湿度19%以下の環境で「マッスルスーツCOOL VEST」着用実験を行った結果、ファンの気化熱によって体全体を冷却しており、首筋のペルチェが当たる部分が強く冷えているのを確認できたという。
様々な業種の作業に対応できるよう、ファンは脇腹に配置。車両運転時や座るときの妨げとなったり、マッスルスーツなどの装備品を着用するときに干渉したりせず併用できるよう配慮している。
気温変化に強く、安全性の高いリン酸鉄モバイルバッテリーを採用(2万mAh)。リチウムイオン・リチウムポリマーバッテリーと比べ3~4倍長いサイクルで使用できるとみている(約2000~4000回)。
UVカット+遮熱効果の加工を施した生地を使用。ファンやペルチェデバイスを取り外して洗濯も可能。
■製品概要
製品名:マッスルスーツCOOL VEST(クールベスト)
希望小売価格:29,700円(税込)
サイズ:S / M / L / XL / 5L
(藤原秀行)※いずれもイノフィス提供