スマート農業実現目指す
一般社団法人 国際ドローン協会(IDA)は5月28日、兵庫県加古川市で5月、営農組合の八幡営農(同市)が管理する約27haの小麦畑に、約4tの粒剤肥料をドローンで空中散布する作業を実施したと発表した。
八幡営農とIDAの業務協定に基づき、両者が「スマート物流」として連携して行った。これまで小麦畑への粒剤散布は人手で行ってきたが、作業の負担が大きく、麦が育った後は農機の進入が困難になるため、畑の外側からの散布に限られていた。
2機の農業用ドローンを使い、空中からムラなく効率的に肥料を散布。5時間で全工程を完了した。
散布量の正確な管理が可能な点も大きなメリットで、無駄な肥料使用を抑えつつ、適切なタイミングでの施肥を実現できたという。
IDAは「農業の課題をドローンで解決する」ことをミッションに掲げ、今後も八幡営農をはじめとする農業法人と連携し、ドローンを活用した新たな農業の形を提案・推進していく考えだ。
ドローンで粒剤を散布する様子
散布に際しては、IDAが自動車工場の電動設備などを手掛ける新明工業()と共同開発した、ドローンの運搬・整備・充電・補給作業を1台で完結できる特別仕様の車両「ドローンポーター」を投入した。広い荷台には複数のドローンと予備バッテリー、肥料や薬剤などの資材を搭載することが可能。現場に到着すればすぐにオペレーションを始められることもあり、“動くドローン基地”として全国の農業現場で注目を集めているという。
ドローンポーターを活用して散布する様子(いずれもIDA提供)
(藤原秀行)