野村不動産・井戸常務執行役員、中継輸送や自動運転トラック対応の物流施設開発に意欲

野村不動産・井戸常務執行役員、中継輸送や自動運転トラック対応の物流施設開発に意欲

空室率上昇の首都圏も「需要自体は引き続き底堅い」と展望

野村不動産は5月30日、今後の物流施設開発・運営事業の戦略に関する記者発表会を東京都内で開催した。

井戸規昭常務執行役員(都市開発第二事業本部長)は、首都圏で大規模なマルチテナント型物流施設の空室率が上昇していることについて、需要自体は引き続き底堅く見込まれると展望、関西や九州などではまだ開発の機会を着実に増やしていけるとの認識を示した。。



また、東北エリアではトラックドライバーの長時間労働規制強化を受けた中継輸送拠点のニーズが見込めると指摘。自動運転トラックに対応した物流施設の開発にも意欲をのぞかせた。

井戸氏は首都圏の空室率上昇傾向に関し「一気に作り過ぎている感があって、少しだぶついている。首都圏の外側により開発余地があったので供給が多くなっている。しかし、まだまだ一定程度需要はあると認識しているので、少し時間がかかるかもしれないが(空室率上昇は)解消されていくとみている」と説明した。

また、地方エリアでの物流施設開発展開について「九州は経済圏が大きいので、消費財を中心とした需要はあると思っている」と解説。東北エリアも中継輸送に対応した物流施設のニーズが見込めると分析した。

トラック自動運転への対応については「やはり高速道路のインターチェンジ至近、インターチェンジ直結の用地の手当てがおそらく重要になってくるだろうと思っている。そのへんはアンテナを張りながら、ぜひとも(開発を)やっていきたい」と語った。

同席した都市開発第二事業本部の稲葉英毅物流事業部長は、首都圏で2023年に物流施設の供給が100万坪に上ったが、26年には60万坪程度に落ち着いてくるとの予想があることに言及。「26~27年くらいにはマーケットが変わってくるのではないか」との見方を明かした。


発表会で質問に答える井戸氏(中央)。左は稲葉氏、右は和田吉朗都市開発第二事業本部物流営業部長



(藤原秀行)

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