24年の出生数が初の70万人割れ、合計特殊出生率も過去最低更新

24年の出生数が初の70万人割れ、合計特殊出生率も過去最低更新

厚労省の人口動態統計、少子化が想定上回るペースで加速

厚生労働省は6月4日、2024年の人口動態統計を公表した。1年間に日本で生まれた日本人の子供(出生数)は前年比5.7%減の68万6061人となり、統計のデータが残っている1899年以降で最も少なかった。

2016年以来、9年続けて前年を下回った。70万人を割り込んだのは初めて。

 
 

出生率はピークだった1949年の269万6638人から4分の1近くまで低下した。

1人の女性が生涯に産む見込みの人数を表す「合計特殊出生率」は1.15で、前年から0.05下がり、出生率と同じく9年連続下落した。3年連続で過去最低を更新した。専門家らが人口の維持に必要な水準と指摘している「2.07」を恒常的に大きく下回っている。

厚労省所管の国立社会保障・人口問題研究所が2023年4月に発表した将来推計人口のうち、最も現実的な「中位推計」では24年の出生率を75万5000人とみていたが、7万人程度下回った。出生数が70万人を割り込む時期は2038年と推定していたが、実際には14年も早く実現しており、少子化が想定以上のペースで加速している。

今後、労働人口の不足が当面、さらに深刻化する事態は避けられそうになく、物流業界も自動化・機械化をより真剣に検討する必要に迫られそうだ。

(藤原秀行)

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