RoboPathがJESグループと提携、「ロボット向けエレベーター連携サービス」を共同提供開始

RoboPathがJESグループと提携、「ロボット向けエレベーター連携サービス」を共同提供開始

メーカーや機種に依存せず、容易に導入実現

エレベーターを使用したフロア間移動によるサービスや業務が発生するホテル・病院・工場・オフィス・タワーマンションなど向けに自律型AI搭載の多機能サービスロボット「UP(アップ)」を提供しているRoboPath(ロボバス、東京都渋谷区広尾)は7月4日、独立系エレベーターメンテナンス会社として国内最大手のジャパンエレベーターサービスホールディングス(JESグループ)と提携し、「ロボット向けエレベーター連携サービス」の共同提供を同日開始したと発表した。

日本の都市部は多層階施設が多く存在し、同じ建物内で複数のメーカーや異なる機種のエレベーターを使っていることが一般的で、同じ企業グループが複数箇所の施設を運営していることも多い。こうした環境下では、業務の効率化や人材不足などへの対応策としてエレベーターを自律的に乗降するロボットの導入を希望しても、施設・エレベーターごとに、エレベーターとの連携に必要な技術的なソリューションや仕様が異なり制約が生じるため、サービスロボット導入のハードルが高かった。

 
 

こうした課題を解決するため、「ロボット向けエレベーター連携サービス」の共同提供に踏み切った。

JESグループがRoboPathの技術を活用することで、各施設の多様なエレベーター環境に応じたサービスロボットのセットアップを実現。ロボットとエレベーターの連携がスムーズかつセキュアに行えるようになり、複数の施設にまたがるロボットの運用状況も一元的に管理できるという。

複数の施設を管理する企業やオーナーにとっては、運用負荷の軽減や管理効率の向上といった実用性・利便性が高まる上に、多様なエレベーター環境への対応が可能となることで、多層階施設におけるロボット導入の選択肢も大きく広がるとみている。

新サービスは設置初期工事費が0円で、月額3万8000円(税別)を想定している。

「UP」はロボット本体とユニットが上下で分かれて構成。上部の機能ユニットを付け替えることで配達・運搬・清掃などの様々な利用シーンを1台で完結できる。既存のエレベーターメーカーやIT企業が提供するエレベーターとロボットの連携サービスでは、導入期間の長さや、初期費用およびランニングコストの高さ、トラブル発生時の原因特定までの時間の長さといった課題を抱えていたが、RoboPathが独自開発した「エレベーター連携モジュール」により、スムーズかつセキュアな導入・運用体制を実現した。

反射の強いステンレスや透明なアクリル板といった認識が困難な材質にも対応する高精度センサーを搭載しているため、多階層施設における安全な稼働・性能を実現し、人手不足や効率化などのニーズに対応可能という。

 
 

配達・運搬・清掃ユニットをそろえており、多彩な機能を実装しつつ、すっきりとしたデザインで、配達・運搬・清掃などの省力化、昼夜間問わない稼働を実現する。


(左から)配達ユニット・運搬ユニット・清掃ユニット

(藤原秀行)※いずれもRoboPath提供

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