SpecteeのAI駆使した河川水位予測、全国で実施

SpecteeのAI駆使した河川水位予測、全国で実施

中小までカバー、災害対応支援を強化

防災テックスタートアップのSpectee(スペクティ)は7月7日、同社が今年1月に民間事業者として初めて取得した河川の「洪水予報業務」の許可を基にした河川の水位予測の適応範囲を、全国(一部地域を除く)に拡大したと発表した。

豪雨時には被害状況の迅速な把握が難しいとされている全国の「中小河川」に関し、リアルタイムで水位予測を提供、被害の極小化を図る。今回の発表は、気象庁から取得している「洪水予報業務」の変更認可に該当する。

 
 

Specteeは2014年以降、SNSや気象データ、道路・河川カメラといった多様なデータとAIを活用して「危機」情報を解析し、迅速な情報提供を通じて災害対策を支援してきた。

気象庁の観測によると、「1時間降水量50mm以上の短時間強雨」の平均年間発生回数は直近10年間(2015~24年)で、統計期間の最初の10年間(1976~85年)の約1.5倍に増加。自然災害が激甚化する中、局地的な豪雨に迅速かつ正確に対応するための情報提供がこれまで以上に重要となっており、同社はそうした状況を考慮して対応を強化することにした。

Specteeは過去の洪水時における水位と降水量のパターンをAIで解析し、常時取得している水位データと降水量の予報データなどを踏まえ、水位を予測する。結果はSpecteeが既に提供するSNSをはじめとするデータとリアルタイムに浸水の影響範囲を地図上に表示する「リアルタイム浸水推定」などと合わせて可視化、ユーザーに分かりやすく通知する。

(藤原秀行)(Spectee提供)

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