ピッキングサポートのAGVが性能向上、現場投入台数を25%削減
三井物産グループの物流企業、三井物産グローバルロジスティクス(MGL)は7月9日、千葉県の自社物流センターに、中国の自動化機器メーカーQuicktron(クイックトロン)製ACR(自動ケースハンドリングロボット)「QuickBin」(クイックビン)を導入したと発表した。同社としては、2023年9月に続いて2例目の現場採用となる。
QuickBinは親機の昇降ロボットと子機の自動搬送ロボット(AGV)で構成。高さ数mの親機が棚から「Bin」(ビン)と称する商品収納ケースを取り出し、子機が受け取って作業スタッフが待機するピッキングステーションまで運ぶ。倉庫スペースの上部まで有効活用できるため、商品の保管効率が向上し、ピッキング作業の省力化・迅速化にもつなげられると見込む。
QuickBin
子機には最新型の「M5F」を世界で初めて取り入れており、一時停止せずカーブ走行が可能なため、従来機よりもスループットが高く、現場に投入する子機の台数を約25%削減できたという。
MGLの導入1カ所目は単一荷主、店舗向け出荷(DC)のみの運用だった。今回の2例目はMGLとして初めて複数荷主を取り扱っている上に、DCに加えて個人向け通販(EC)卸など複数の出荷形態にも対応できるよう設計している。
最新型の子機「M5F」
今後は通常のBinに格納できない大型商品やハンガー商品の自動化に向け、AGVが商品を保管している棚を持ち上げてピッキング作業エリアまで届けるGTP棚搬送ソリューションと並行運用することも検討する予定。
(藤原秀行)※いずれもMGL提供