JALとヒューリック、成田空港近隣で大型国際物流拠点を29年に開業へ

JALとヒューリック、成田空港近隣で大型国際物流拠点を29年に開業へ

保税蔵置場など整備、医薬品専用定温庫も

日本航空(JAL)とヒューリックは7月15日、成田国際空港に近接している千葉県成田市の下福田地区で、航空上屋施設(保税蔵置場)と物流施設を一体化した国内初の国際物流拠点「WING NRT」(ウイング ナリタ)を開発すると発表した。

ヒューリックが取得した約45万坪の用地に建設する。2027年の建築工事着手、29年の開業を目指す。



成田国際空港会社が国土交通省などと連携し、成田空港の機能強化へ滑走路の延伸・新設や貨物機能強化などを目指している。両社は大型の国際物流拠点を設けることで、こうした流れに対応する。

「WING NRT」の開発予定エリアは政府が千葉県内では初めて、地域未来投資促進法に基づき重点促進区域として承認している。参画企業は税制などの優遇措置を受けることが可能。

竣工後、半導体をはじめとする精密機器、リチウム電池、越境EC、医薬品などに加え、政府が輸出拡大を掲げる農林水産品の集積基地として位置付け、成田空港を通じて世界中の物流拠点と円滑につながる輸出入拠点として発展させていくことを目指す。

JALは上屋施設に最先端のロボットなど自動化機器を取り入れるほか、医薬品専用定温庫、高機能冷蔵・ 冷凍庫などを完備させ、多様な物流ニーズをカバーできるようにする。

両社は「WING NRT」の運営と進出企業誘致でも連携。成田空港と「WING NRT」を高頻度で結ぶ輸送サービスや、「WING NRT」内の貨物輸送サービスなどを視野に入れている。

28年度末の北千葉道路延伸による飛躍的なアクセス改善を見込んでおり、成田市街地の中心部を経由することなく成田空港や成田ICへアクセスが可能となるほか、成田空港からの短時間(約10分)かつ保税状態での一括輸送を実現できると想定している。



(藤原秀行)※いずれも両社提供

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