JR東海や名大、Doogなど5者が混雑する駅構内の店舗に安全搬送可能なロボット活用で連携

JR東海や名大、Doogなど5者が混雑する駅構内の店舗に安全搬送可能なロボット活用で連携

試作機や人流計測システムを共同開発、25年度中の実証目指す

JR東海とJR東海物流、名古屋大学、名古屋工業大学発ベンチャーでAI活用支援を手掛ける来栖川電算、ロボット開発のDoog(ドーグ)の5者は7月17日、駅空間の利便性や快適性を損なうことなく駅構内の物流作業を自動化することを目指し、自動搬送ロボットの試作機と、駅構内などの人の流れを正確に測定・解析できる「大規模人流計測システム」を開発したと発表した。

今後、実用化に向けて利用者がいる駅構内で実証試験をすることを検討する。



駅構内の店舗には毎日多くの商品を運搬・供給する必要があり、JR東海物流が担当している名古屋駅の場合、繫忙期は1日当たりトラック約40台分の商品を、手押しの運搬車を用いて20人で延べ160回に分けて運搬している。

作業の負荷が大きい上、労働力人口の減少で作業員確保がより難しくなる可能性があるため、今後も駅構内の運搬・供給作業を持続するには自動化・省人化が不可欠と判断。5者で連携し、駅構内に人がいても安全に物を運ぶことが可能な技術の開発を進めていた。

Doogの自動搬送ロボット「サウザー」をベースに、混雑する駅環境で使用した場合のリスクアセスメント結果を踏まえ、さらに安全性向上のため、接触検知センサーの追加設置など、機能を改良。

さらに、モニターに顔を表示するなど、駅利用者らが気付きやすく、親しみも持てるよう各種のヒューマンマシンインターフェース(HMI)を新たに開発・実装した。

また、大規模人流計測システムは自動搬送ロボットが駅構内を走行した際、駅利用者らの流動への影響を継続的に計測するために使用。具体的には、駅コンコースの天井に高性能の3D-LiDARセンサーを複数設置し、エリア内の人や構造物の3次元位置情報を取得、AIなどを活用して各人が歩いた軌跡を導き出す。

このデータを基に、広範囲・高密度な駅環境下で人の動きを把握・分析できるようにする。将来は人流を予測し、その結果を踏まえた最適な移動ルートをロボットが設定することも視野に入れている。



5者は実用化に向け、名古屋駅など人流が多い駅での実証試験を、2025年度内を目標に実施することを検討している。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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