梱包最適化や仕分け作業自動化など図る
EC事業者支援のボーダーライン(東京都渋谷区初台)は7月17日、オンラインくじ事業特有の複雑な物流課題を解決する新サービス「KujiLogi(クジロジ)」の先行案内を同日始めたと発表した。
配送費の高騰や1注文当たり平均18PCS超に及ぶくじ特有の多点配送、長期化する配送リードタイムといった問題の解決に向け、梱包最適化や仕分け作業自動化、オペレーションの効率化を手掛ける。
EC事業者が本来集中すべき企画やマーケティング活動にリソースを再配分できるようにする。
ボーダーラインが運営代行を担うオンラインくじECの出荷実績(指数)
オンラインくじでは缶バッジやアクリルスタンドなどの小物グッズが複数種類混在するため、「誰が・何を・どれだけ封入するか」の判断が煩雑で、従来の棚管理や人手ピッキングではコストなどの問題から限界があった。
また、受注生産が基本のため、顧客の手元に届くまで2.5~3カ月要するのが一般的で、顧客満足度の低下や問い合わせ工数の増大につながっていた。
ボーダーラインが運営代行を手掛けるオンラインくじECの1件当たり平均PCS数。一般的なEC(2〜4個)を大幅に上回る約18個に上る
問題解決のため、複数の商品を検知し、60サイズ梱包を上限とする最適な箱サイズを自動計算。ヤマト運輸の「ネコポス」比率も向上させ、平均配送コストを大幅に削減できると想定している。
また、3次元自動仕分けロボット「T-Sort3D」を導入。1時間当たり1000〜1500PCS、1日最大1万PCSを自動で仕分け、高負荷出荷にも安定して対応できるようにする。
現場の運用人員は2〜3人にとどめることができるため、仕分け精度は人手作業と比較して大幅に向上し、人的コストの最小化とリードタイム短縮を同時に実現することが可能とみている。
タペストリーやJANなし商品のように例外的なものも柔軟に手作業で対応可能という。
さらに、独自の業務フローにより、一般的なリードタイムの3カ月を、最短2カ月に短縮することを目指す。
ボーダーライン倉庫におけるオンラインくじのピッキング方式の月次推移(指数)。ロボットソーター導入で手作業を大幅に削減し、省人化と生産性向上を図っている
(藤原秀行)※いずれもボーダーライン提供