脱炭素に貢献図る、26年1月竣工予定
常石造船は7月22日、フィリピンの造船拠点「TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU)」(THI)で、世界初となるメタノール燃料ばら積み貨物船「KAMSARMAX」(カムサマックス)が7月17日に進水したと発表した。竣工は2026年1月の予定。
本船は環境負荷の大幅な軽減を図ることを目指して設計。メタノールを燃料として使うことで、重油と比較して窒素酸化物(NOx)を最大約80%、硫黄酸化物(SOx)を最大99%、二酸化炭素(CO₂)を最大約10%それぞれ削減できるとみている。
さらに、天然ガスや石炭などの化石燃料を使わずに製造した「グリーンメタノール」を採用することで、船舶運航における脱炭素化を推進したい考え。
二元燃料船化したKAMSARMAX型船は常石造船が開発し、400隻を超える竣工実績を持つ主力船型。浅喫水と同時にエアドラフト(船舶の水面から船の一番高い場所までの高さ)を抑える設計により、主要港の多くをカバーする汎用性を有し、ギニアのカムサール港にも入港可能な全長229mを備えている。
(藤原秀行)※いずれも常石造船提供