「つながるトラック」利用促進、輸送事業者の収益向上が何よりも大切

「つながるトラック」利用促進、輸送事業者の収益向上が何よりも大切

UDトラックス現場責任者が目標をアピール

UDトラックスでプロセス&ソリューション部の統括責任者を務めるサティシュ・ラジュクマール氏は7月11日、インターネットに接続して車両に搭載した専用機器を通じ現在地や運転状況などの情報を収集、管理できるコネクティビティー(相互接続性)を備えた「つながるトラック」に関し、ユーザーの運送事業者が収益を改善していけるよう貢献することが利用促進の大きな目標との見解を強調した。

同社が東京都内のNTTドコモ本社内で開いたメディア向けセミナーの終了後、報道陣の質問に答えた。

関連記事:「つながるトラック」で物流業界の課題救うと意義強調


セミナーに登場したラジュクマール氏

ラジュクマール氏は「トラックユーザーの燃料コスト負担は依然として(支出における)高いウェートを占めている。技術開発をはじめいろいろな取り組みは行われているが、実質的な効果ということになるとまだまだ実績は少ない。よりユーザー、メーカー、ディーラーが連携して問題に取り組む必要がある」と指摘。

「一言に『効率性』といっても燃費・環境性・ドライバー負担軽減・積載率・稼働率など(及ぶ項目は)幅広い。ユーザーのコスト改善や負担軽減にとどまらず、収益をどのように獲得・向上していけるかが何よりも大切なことを忘れてはいけない」と力説した。

運行最適化・効率化図る予知は大きい

同席した同社コネクテッドソリューション部のシェティ・ライ・チャンドリカ部長は「例えば積載率だけを取ってみても今は空走の距離・時間がとても多い。積み込みの場所・時間にそれだけロスがある」と分析。日本でもつながるトラックの活用で運行の最適化・効率化を図る予知は大きいとの見方を示した。

コネクティビティーを生かした燃費向上については「急ブレーキ、急加速、ギアチェンジなど13の評価項目に基づいてデータを収集・解析して1カ月のサマリーを作成・提供している。データはユーザーに必要なものをクレンジング(品質向上)して解析する。このクレンジング・加工のところが大事になる」と自社の取り組みの概要を語った。

セミナーに招待されたNTTドコモの中村武宏執行役員5Gイノベーション推進室長は、今後本格展開を計画している次世代の高速通信規格「5G」に関連し「トラック、物流といった量・範囲ともにボリュームの大きい分野でどれだけコストメリットのある通信を提供できるかが重要。その意味でも今回の(UDトラックスのつながるトラックという)案件は非常に重要なユースケースとなるだろう」と述べ、円滑なコネクティビティー実現に通信面から協力していく意気込みを示した。

(藤原秀行、鳥羽俊一)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事